日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
62 巻, 12 号
選択された号の論文の20件中1~20を表示しています
巻頭言
時論
特集
  • Ⅰ.外部被ばくの放射線防護の線量体系
    岩井 敏, 石田 健二, 高木 俊治, 猪狩 貴史, 原口 和之, 村野井 友
    2020 年 62 巻 12 号 p. 698-702
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/10
    解説誌・一般情報誌 フリー

     放射線防護に使用される線量概念には放射線健康リスクと関連する線量として防護量があり,線量限度は防護量に対して設定される。しかし,防護量は定義上測定することが不可能または困難な量であるため,外部被ばくモニタリング用の線量として実用量という線量概念が作られてきた。現在,新しい実用量についてICRUとICRPが共同で検討してきた結果が近く刊行される予定である。一方,ICRPでは防護量の改定について検討中である。本稿では現在放射線防護に用いられている防護量,実用量,基本物理量の定義を解説する。

  • Ⅱ.防護量の変遷と今後の見通し
    岩井 敏, 石田 健二, 高木 俊治, 猪狩 貴史, 原口 和之, 村野井 友
    2020 年 62 巻 12 号 p. 703-707
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/10
    解説誌・一般情報誌 フリー

     放射線防護のための線量限度として勧告される基本的な線量概念は,初期には照射線量のような物理的な量が使用された。しかし,対象と見なされる放射線健康影響の変遷に伴って防護量の線量概念も変遷し,進化してきた。本稿では防護量の線量概念の成立,変遷について説明し,現在使用されている防護量と今後の防護量の改定の見通しについて解説する。

  • Ⅲ.実用量の変遷と今後の変更
    岩井 敏, 石田 健二, 高木 俊治, 猪狩 貴史, 原口 和之, 村野井 友
    2020 年 62 巻 12 号 p. 708-711
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/10
    解説誌・一般情報誌 フリー

     1950年頃までは,皮膚や骨髄の放射線障害防止を放射線防護の対象としており,放射線健康リスクと関係する防護量やモニタリングのための実用量という線量概念の区別は無く,場の照射線量で線量の制限が行われていた。ICRPで決定臓器の概念が導入された1954年以降,人体内の吸収線量(およびRBE線量等)と放射線場で測定可能なモニタリング量を関連付ける必要が生じた。そのために考案された線量概念が実用量であり,最大線量当量(MADE)に始まり,線量当量指標を経て,現在の周辺線量当量,方向性線量当量,個人線量当量となった。本稿では実用量の成立,変遷,今後の変更の見通しについて解説する。

解説
解説シリーズ
Column
報告
  • 神田 玲子, 飯本 武志, 甲斐 倫明, 児玉 靖司, 小林 純也, 酒井 一夫, 富永 隆子, 中島 覚, 細井 義夫, 松田 尚樹, 杉 ...
    2020 年 62 巻 12 号 p. 735-740
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/10
    解説誌・一般情報誌 フリー

     放射線防護人材の不足は国際的な課題であり,わが国でも行政のレベルで議論されるようになって久しい。東京電力福島第一原子力発電所事故を経験してその重要性が社会的に認識されつつも,人材不足の深刻度は増す一方である。2019年に放射線防護関連学会が合同で実施したアンケート調査では,40歳未満の学会員の3割が診療放射線技師の資格を有していることや,比較的研究者人口が多い放射線実験生物学分野や放射線計測・線量評価分野の場合でも,会員の4割は学生時代に放射線研究歴がないことなどが明らかになった。本稿では,放射線防護を必要とする現場への人材供給源や人材とアカデミックポストとのマッチングに焦点を合わせて,アンケート結果をとりまとめ,報告する。

連載講座
FOCUS
理事会だより
feedback
Top