加圧水型原子炉(以下,PWR)の高経年化とともに一次系の主要構成材料である600合金等のNi基合金の一次系環境下応力腐食割れ(PWSCC: Primary Water SCC)が国内外で顕在化している。またわが国のPWR一基あたりの従事者の被ばく線量は欧米と比較し高く推移しており,高経年化に伴う改良工事などの作業量の増加,熟練技術者が減少するなかでの設備保全品質の維持等を考慮すると,今後更なる被ばく低減対策が必要となる。
本報では,PWSCCの発生抑制と被ばく線源強度低減を同時に達成できる可能性のある一次冷却材の溶存水素濃度の最適化について述べる。
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