医療放射線防護の基本原則は「行為の正当化」と「防護の最適化」である。我が国の医療被ばくによる国民線量は世界平均の6-7倍と推定されているが,医療被ばくの実態が十分に調査・研究されているとは言い難く,医療放射線防護に関する取り組みは大きく立ち遅れている。
最近,放射線関連の学協会や諸団体が協力して,医療被ばくの最適化のツールである診断参考レベルの設定を行った(通称“Japan DRLs 2015”)。この取り組みが,我が国の医療被ばくの実態把握と最適化に向けた第一歩になると,国内外から期待されている。
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