日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
56 巻, 5 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
座談会
時論
解説
解説シリーズ
  • 第2回 組織安全とレジリエンス
    小松原 明哲
    2014 年 56 巻 5 号 p. 323-327
    発行日: 2014年
    公開日: 2019/10/31
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     レジリエンスエンジニアリングは,変化する状況に人が柔軟に対応することで安全を求めるヒューマンファクターズのアプローチとして提案されてきたものであるが,このアプローチは組織の安全においても有益である。本稿では,safety-critical systemやsocio-technical systemを運営する組織が「強く」あるためには,レジリエンスは必須であることを指摘し,そのための条件について考察する。また,組織の安全を達成するためには,現場のレジリエンスの成功が必要となることを指摘し,そのために組織がなすべき管理についても検討する。

  • 運用ルール,市場設計と最適な設備形成
    荻本 和彦
    2014 年 56 巻 5 号 p. 328-333
    発行日: 2014年
    公開日: 2019/10/31
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     世界そして我が国で,持続的なエネルギーシステムの構築に向け,再生可能エネルギーへの期待が高い。再生可能エネルギー導入の大きな割合を占める太陽光発電や風力発電など,出力の変動する再生可能エネルギー電源の導入を含め,将来の電力システムの課題と対策について,技術面,制度面に分けて紹介する。

     変動する再生可能エネルギーの大量導入による変動(variability)の増加とそれに対応する柔軟性(flexibility)の低下は,電力システムの需給調整の課題をこれまで以上に難しくする。前回の(Part 1,2)の技術編に続き,(Part-3)では,再生可能エネルギーの大量導入,電力市場自由化の先行した欧米の事例を見ながら,これらの需給調整の課題が電力システムの運用制度にもたらす課題と,新たな技術を含め需給調整の課題を解決する諸技術を活かすための新たな制度構築への取り組み,そして最適な設備形成の実現方法について解説する。

  • 第3回 海外ウラン資源開発株式会社によるウラン資源開発と最近の開発動向
    浜井 富生
    2014 年 56 巻 5 号 p. 334-339
    発行日: 2014年
    公開日: 2019/10/31
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     海外ウラン資源開発株式会社は日本の原子力発電へのウラン燃料の安定供給を目的として,1970年に設立された。1978年に生産を開始したアフリカ・ニジェール共和国のアクータ鉱山,1999年から生産を開始したカナダ・マクリーンレイク鉱山からのウラン精鉱引取分の全量を日本の電力会社に販売して来た。2011年の福島第一原発事故前は,日本で必要なウラン燃料の10〜15%を安定して供給していた。今回,当社のウラン鉱山開発について紹介するとともに,最近の探鉱・開発案件のいくつかについて紹介する。

  • 第6回 内外に積極的に原子力展開するロシア
    小林 雅治
    2014 年 56 巻 5 号 p. 340-344
    発行日: 2014年
    公開日: 2019/10/31
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     エネルギー安全保障や気候変動対策から,世界的には原子力開発を継続・推進する方向にあるが,欧米諸国ではその勢いは今ひとつ弱い。そのような中で,ロシアは国内での原子力発電所の建設だけでなく,海外諸国への原子力輸出も活発に進めている。高速炉開発も長い歴史を持ち,BN-600(60万kW)が1980年以来運転を続けており,BN-800(80万kW)が今春には初臨界の予定だ。さらに燃料サイクルの濃縮役務分野では世界シェアの3~4割を占める。旧ソ連時代の1986年にチェルノブイリ事故を起こし,ソ連崩壊後のしばらくの間は原子力開発が停滞したが,21世紀に入ると,そこから脱却して,原子力における存在感を高めている。ロシアの原子力開発の経緯や体制にも触れながら,原子力開発の全体像を眺めてみる。

報告
  • 第3回(最終回)日本原子力学会CPD制度のめざす姿―検討状況と課題
    伊藤 晴夫
    2014 年 56 巻 5 号 p. 345-347
    発行日: 2014年
    公開日: 2019/10/31
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     われわれ原子力に携わるすべての技術者・研究者は,東京電力福島第一原子力発電所事故(以下,「1F事故」)を防げなかったことの反省を踏まえ,世界最高水準の原子力安全の確保と,原子力への信頼回復に向け,弛まぬ努力を続けていく必要がある。このため,原子力技術者・研究者は,日々の研鑚に努めるとともに,こうした技術者・研究者の姿を,社会にアピールしていくことが必要であろう。前2回の連載で紹介したCPD制度は,技術者・研究者個人の資質向上と共に,その努力している姿を「見える化」するためにも有効と考える。本稿では,技術者教育小委員会で2012年から取り組んできた原子力学会として目指すべきCPDのあり方に関する検討状況と課題について報告する。

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