世界そして我が国で,持続的なエネルギーシステムの構築に向け,再生可能エネルギーへの期待が高い。再生可能エネルギー導入の大きな割合を占める太陽光発電や風力発電など,出力の変動する再生可能エネルギー電源の導入を含め,将来の電力システムの課題と対策について,技術面,制度面に分けて紹介する。
変動する再生可能エネルギーの大量導入による変動(variability)の増加とそれに対応する柔軟性(flexibility)の低下は,電力システムの需給調整の課題をこれまで以上に難しくする。前回の(Part 1,2)の技術編に続き,(Part-3)では,再生可能エネルギーの大量導入,電力市場自由化の先行した欧米の事例を見ながら,これらの需給調整の課題が電力システムの運用制度にもたらす課題と,新たな技術を含め需給調整の課題を解決する諸技術を活かすための新たな制度構築への取り組み,そして最適な設備形成の実現方法について解説する。
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