安全性を高い水準に維持しつつ長期に原子力発電所を運転していくためには,経年劣化事象に関する知見を継続的に更新・拡充していくことが必須である。原子力エネルギー協議会(ATENA)では「安全な長期運転に向けた経年劣化管理の取組」として,国内の経年劣化管理に係る取組と海外知見を比較分析し,その結果を踏まえ,「物理的な経年劣化」と「非物理的な経年劣化」の観点から従来の取組を強化すべく,ガイドラインの策定等に取組んできた。
「物理的な経年劣化」に関する取組の1つとして,ATENAでは,経年劣化評価に関して今後知見拡充が必要と考えられる事項を抽出し,「安全な長期運転に向けた経年劣化に関する知見拡充レポート」として整理している。そのうち本第一稿では,経年劣化事象に関する米国知見調査を基にした,知見拡充事項を紹介する。
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