日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
57 巻, 9 号
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
新会長あいさつ
時論
連載・福島からの風
座談会
解説シリーズ
解説
  • 学会誌3月特集号の論点整理
    佐田 務
    2015 年57 巻9 号 p. 599-603
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/02/19
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     科学技術をめぐる知は専門化し,細分化される。原子力分野でも同様だ。それらの知が完全に統合されることはない。そこからこぼれ落ちた部分が弱点として残り,時を経てそれが事故の遠因として顕在化することがある。福島原発事故後にいくつかの事故調報告は,原子力の安全をめぐる学の連携や協働によって知の統合をめざす必要性を指摘した。そのために私たちには,何をすることが求められているのだろうか。本誌3月号に掲載した福島原発事故に対する各学会の取組みや指摘された論点の中から,「知の統合」をめざすことが求められている部分のあらましを,ここでは紹介する。

  • 原子力技術の新しい社会貢献
    土橋 克広, 上坂 充, 藤原 健
    2015 年57 巻9 号 p. 604-607
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/02/19
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     Xバンド(9.3GHz)の高周波電子線形加速器(ライナック)技術を最適化し,可搬型950keV/3.95MeV電子ライナックX線源を開発した。950keVシステムは,化学プラントの反応塔・配管,橋梁・桟橋の鉄筋コンクリートの構造健全性診断に実用されている。内部構造の静止画取得に加えて,液面の動画像の取得にも成功し,システムの動特性評価に進展している。一方,土木研究所,国土技術政策総合研究所にて老朽実機橋梁試料を用いた試験が開始されている。3.95MeVシステムは平成17年度放射線障害防止法改定(橋梁検査に限って4MeV未満その場使用可能)後初めての適用となる。平成27年中に実橋梁試験を開始する。今後さらに現場経験を蓄積・システム向上させ,世界の成熟社会での産業・社会インフラの健全性評価・安全性向上に貢献していきたい。

報告
  • ~交通計画を専門とする立場から~
    吉田 樹
    2015 年57 巻9 号 p. 608-611
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/02/19
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     福島県における中間貯蔵施設は,除染により生じた除去土壌等を最終処分するまでの間,集中的に保管する施設である。2015年3月からは,県内の仮置場から敷地内の保管場までのパイロット輸送が開始されたが,本格輸送では最大2,200万m3にもなる大量の除去土壌等を県内各地に分散した仮置場等から運び込まなければならず,円滑かつ安全な輸送がクリティカルな課題となっている。本稿では,中間貯蔵施設への輸送計画に関わる論点を交通計画の視点で整理する。

  • 紀 聖治, 高田 英治, 鈴木 茂和, 太田 泰雄, 鈴木 達也
    2015 年57 巻9 号 p. 612-615
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/02/19
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     原子力発電所で即戦力となる技術者育成について,地元の高等専門学校(高専)の果たす役割は大きく,近年では,就職希望者の約1割が原子力関係に就職している。高専では正式カリキュラムとして原子力関係講座を持たないが,卒業生の地元関連企業採用ニーズに対応し,原子力人材育成ネットワークを通じた原子力系大学,産業界等との連携により,原子力教育を実施している。

     高専独自に教育カリキュラムを開発し,講義,実験,施設見学等を授業に組み込んで実施しているほか,高専の全国ネットワークを活用して,共通テキストの作成・利用,学内放射線量測定結果の持ち寄り等により,教育効果の向上を図っている。平成22年度からは文部科学省国際原子力人材育成イニシアティブ事業に取り組んでおり,その内容について報告する。また連携先である長岡技術科学大学における取組も紹介する。

会議報告
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