日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
54 巻, 12 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
巻頭言
時論
解説
  • 新しい原子力安全規制法制度とは
    諸葛 宗男, 西脇 由弘
    2012 年54 巻12 号 p. 774-779
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/10/31
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     東京電力福島第一原子力発電所事故と,その原因調査を実施した政府事故調と国会事故調等の検討状況も踏まえ,2012年6月,独立性の高い原子力規制委員会を新設することを柱とし,原子力の安全規制制度の大幅改正を盛り込んだ原子力規制委員会設置法が国会で成立した。この法律には原子力規制委員会とその事務局の原子力規制庁の権限や役割等が定められているだけでなく,原子力基本法,原子炉等規制法,放射線障害防止法,電気事業法等,原子力に関するほとんど全ての法律の改正が盛り込まれており,原子力関係者必読の法律である。

報告
解説
  • 第3回(最終回) 建屋・機器フラジリティ評価
    美原 義徳
    2012 年54 巻12 号 p. 784-788
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/10/31
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     標準委員会では津波PRA標準を2012年2月8日に発行した。この標準について3回に分けて解説し,第3回では建屋・機器フラジリティ評価手順と要求事項について解説を行う。建屋・機器フラジリティ評価とは,炉心損傷に寄与する建屋及び機器の損傷確率を求めることであり,「評価対象と損傷モードの設定」,「評価手法の選択」,「現実的耐力の評価」,「現実的応答の評価」及び「損傷確率等の評価」の手順から構成される。本稿では,それらの詳細を述べる。また,原子力学会の津波PRA分科会で検討を行っている,東北地方太平洋沖地震での津波波力等による被害状況に関する最新知見を反映したフラジリティ評価事例の検討状況についても触れる。

  • 日本機械学会東日本大震災調査・提言分科会WG5の活動
    小泉 安郎, 浅野 等, 大川 富雄
    2012 年54 巻12 号 p. 789-793
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/10/31
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     日本機械学会の『東日本大震災調査・提言分科会WG5 エネルギーインフラの諸問題』の活動紹介である。原子力,火力,エネルギーシステム,エネルギー政策の方面から,調査分析を行ってきている。これまでの現地調査,アンケート調査,公開情報調査と,分析検討から,WG5内で話題となったことを中心に紹介する。

  • 斯波 正誼
    2012 年54 巻12 号 p. 794-798
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/10/31
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     本稿は,福島第一原子力発電所の事故のような原子炉事故を防止するため,内外の原子力発電所で実施された津波に対する対策や全交流電源喪失などに関する多数の安全対策を紹介し,これらの対策の原子炉事故に対する実効性について論じている。そして内外の軽水炉の安全対策の脆弱な部分に関する情報に注意し,安全対策を強化することの重要性を強調する。

  • 目前に迫る核融合連続燃焼の実現
    岡野 邦彦
    2012 年54 巻12 号 p. 799-803
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/10/31
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     核融合はいまでも「夢物語」で,実態は30年前とあまり変っていないなどと思っていないだろうか。そうだとすれば誤解だ。いまだに発電は実現していないが,この約30年間で核融合研究は画期的に進んだ。磁場を使った閉じ込め方式では,核融合の実験炉「ITER」の建設が国際協力で進んでおり,核融合の連続燃焼と10以上のエネルギー利得の実現が見えてきた。レーザーを用いた点火方式も進んでおり,米国が建設したレーザー核融合点火装置「NIF」はすでに完成し,人類初の核融合レーザー着火を目指した実験が進む。本稿では,その現状と将来展望,そして核融合の安全性上での特長を解説する。なお,わかりやすさを重視し,一部で説明の若干の簡略化などを行っていることはご了解いただきたい。

  • 河田 東海夫
    2012 年54 巻12 号 p. 804-809
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/10/31
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     米国では,2009年に発足した民主党オバマ政権によって,長年の歳月と膨大な資金を費やして進めてきたヤッカマウンテン処分場計画が,廃止に追い込まれた。同政権は,行き場を失う米国の使用済燃料の新たな管理方策を検討するため,ブルーリボン委員会を立ち上げ,約2年間の検討を経て最終報告書を2012年2月26日に公表した。本報告では,計画が失敗に至るまでの経緯を振り返るとともに,同委員会の報告書の内容を紹介し,我が国の状況も含めた若干の私見を述べさせていただく。

  • 吉田 一雄
    2012 年54 巻12 号 p. 810-814
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/10/31
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     集光型太陽熱発電(CSP)は,反射鏡で集光した太陽光をレシーバで熱へと変換し,一般には蒸気タービンを回して発電する技術である。本システムでは,蓄熱システムやボイラを組み合わせることにより,太陽が照っていない時間帯にも比較的低コストの発電が可能である。したがって,CSPは,電力需要曲線に合わせた電力供給が可能であり,ディスパッチャビリティが高い発電システムである。CSPでは太陽から直接地表に到達する直達光のみ利用できることから,中東・北アフリカ,米国南西部などサンベルトと呼ばれる地域で高効率の発電が可能であり,発電ポテンシャルも膨大である。CSPで得た電力を離れた地域で利用するため,北アフリカで発電した電力を高圧直流送電でEU諸国に送るデザーテック計画も進行している。

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