日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
53 巻, 7 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
解説
  • 木下 冨雄
    2011 年53 巻7 号 p. 465-472
    発行日: 2011年
    公開日: 2019/09/06
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     私は社会心理学の研究者である。原子力の世界とは長いお付き合いがあるが,その中味は所詮外野席からの聞きかじりであって,専門知識は乏しい。したがって以下の意見は,原子力の専門家からすれば的外れのことも多いだろう。それを覚悟しながら,社会心理学,ないしリスク学の立場から見た今回の事故の問題点を述べることにしたい。

  • なぜ水素爆発が起きたのか
    内藤 正則
    2011 年53 巻7 号 p. 473-478
    発行日: 2011年
    公開日: 2019/09/06
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     2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震とそれに伴う大津波が,関東から東北地方の太平洋岸に面する原子力発電所を襲った。特に,福島第一原子力発電所に設置されている1号機から4号機までの4プラントは甚大な被害を受けた。これら4プラントから環境に放出された放射性物質の量は,チェルノブイリ原発事故の約1/10と言われている。現在はすでに被害の拡大は抑えられ,核燃料から発生し続ける余熱(崩壊熱)を安定に除去する,いわゆる冷温停止状態を維持するための方策がとられつつある。しかし,ここに至るまで,なぜ多量の放射性物質の環境への放出という大惨事が起きたのであろうか。格納容器の過圧を防止するためのベントや核燃料の冷却を維持するための注水作業が遅れたことが一因として挙げられているが,直接的には水素爆発による原子炉建屋の損傷が,その後の事故の推移を決定づけたといえる。本稿では,「なぜ水素爆発が起きたのか」という点に焦点を絞って,現状で得られているプラント情報に基づいて解説する。

  • 環境影響の全体像把握に向けた第一歩
    山澤 弘実, 平尾 茂一
    2011 年53 巻7 号 p. 479-483
    発行日: 2011年
    公開日: 2019/09/06
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     事故放出された放射性物質の環境影響について,現在は現地測定が精力的に進められており,徐々にその詳細が明らかになりつつある。一方,影響の全体像については公的な説明が一切なされていない。事故のいずれの段階でも,たとえ概要であっても生じた重大な環境影響全体像をとらえ,社会に伝える努力が施設外事故対応の基本であろう。

  • 原子力安全委員会指針から
    下 道國
    2011 年53 巻7 号 p. 484-488
    発行日: 2011年
    公開日: 2019/09/06
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     環境放射線のモニタリングは地味な仕事である。その中でも,緊急時の環境モニタリングは,平常時はあまり意識されることもないが,緊急時に備えて遺漏のないよう常に準備が必要である。今回の福島第一原子力発電所の事故で,はからずもその重要性が認識され,モニタリングデータとそれに基づいた対策が重要となっている。緊急時環境モニタリングは原子力安全委員会の指針の中に準備されているが,本稿ではこれに沿って考え方や運用について述べる。

報告
NEWS
巻頭言
解説
  • 基本的な考え方と応用
    秋山 勝宏
    2011 年53 巻7 号 p. 499-502
    発行日: 2011年
    公開日: 2019/09/06
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     「パラジウム触媒によるクロスカップリングの発展への寄与」の功績により根岸英一,鈴木 章,R. E. Heck先生らが2010年にノーベル化学賞を受賞した。クロスカップリングは1970年代から盛んに研究され,有機合成ではこの分野は日本のお家芸といえるほど,日本人の貢献が大きい。今回はクロスカップリングについて,その基本的な知識や考え方を解説する。まず総論としてクロスカップリングの反応形式や反応機構について説明し,医薬品やエレクトロニクス材料への用途について述べる。各論として代表的な反応である熊田―玉尾カップリング,根岸カップリング,鈴木―宮浦カップリングと溝呂木―Heck反応について反応の特徴や問題点について解説する。最後に,最近の研究として固定化触媒の開発や安価な鉄触媒を使用する研究を紹介する。

解説
  • 原子力第一船の燃料・炉心国産技術の確立
    浜崎 学, 堀元 俊明, 嶋田 昭一郎, 石丸 正之
    2011 年53 巻7 号 p. 503-508
    発行日: 2011年
    公開日: 2019/09/06
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     我が国の原子力第一船「むつ」は,初の実験航海での放射線漏れが社会的に大きく取り上げられ,我が国の原子力界にとって永く記憶されるべき教訓を与えた。一方,その後の実験航海が成功をおさめ,外洋を8万キロにも渡って原子動力で全速航海し,貴重なデータを後世に残したことは余り知られていない。また,「むつ」の炉心,燃料は,米国からの導入技術が発電炉のものに限られ,舶用炉技術を導入できないという条件の下で確立した我が国国産技術である。

報告
  • 大釜 和也, 荻野 晴之, 佐藤 隆彦, 鈴木 彩子
    2011 年53 巻7 号 p. 509-513
    発行日: 2011年
    公開日: 2019/09/06
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     原子力分野における国際的な次世代リーダーの育成と原子力の国際教育を目的として,世界原子力協会(World Nuclear Association)および世界原子力発電事業者協会(World Association of Nuclear Operators)等の支援により2005年から開催されている世界原子力大学(World Nuclear University)の夏季研修(Summer Institute)に,2010年に筆者4名は参加した。このWNU SIを通し,幅広い視野・考え方に触れ,自分の意見を持ち,文化の違いを理解しつつ相手と英語で対話していく国際的なコミュニケーション能力を鍛え,リーダーシップのあり方を学び,かつ,多くの海外の原子力分野で働く若手とのネットワークを構築した。本稿では,多くの若手原子力関係者に本研修プログラムへの興味関心を持っていただき,今後さらに多くの方にご参加いただくため,筆者らの参加経験について紹介した。また,今後の原子力国際人材育成等に資するため,我が国の今後の世界原子力大学夏季研修への貢献のあり方について提言した。

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