日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
65 巻, 1 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
巻頭言
時論
Perspective
解説
  • 倉田 正輝
    2023 年 65 巻 1 号 p. 13-18
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/10
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     東京電力福島第一原発(1F)の内部調査や事故シナリオ解析により,1F 1号機から3号機では,それぞれ固有のシナリオで事故が進展し,燃料デブリの特徴や堆積状態の違いに影響したことがわかってきている。本解説の前半では,これまでに明らかになってきた1F事故シナリオと燃料デブリの特徴をまとめる。後半では,燃料デブリ取出しの設計検討で必要となる燃料デブリ特性データベースの整備に関し,サンプル代表性と分析品質管理について考察する。

  • 青木 広臣, 前田 敏克, 大村 哲臣, 木嶋 達也, 田中 知
    2023 年 65 巻 1 号 p. 19-24
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/10
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     原子力施設の運転や廃止措置に伴って発生する放射性廃棄物のうち,原子炉圧力容器内の高放射線量環境下での放射化等により比較的放射能濃度が高くなったもの等を,地下70 m以深に埋設する方法を「中深度処分」と呼ぶ。原子力規制委員会は,令和3年10月に,第二種廃棄物埋設に係る規則等を改正し,中深度処分に関する規制基準を定めた。本稿では,中深度処分の規制基準の策定に至る経緯について紹介し,規制基準の背景や根拠について概説する。

  • 原子力機構による埋設処分とその安全確保に関する検討状況
    坂井 章浩, 亀井 玄人, 坂本 義昭
    2023 年 65 巻 1 号 p. 25-29
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/10
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     現在,国内において,研究機関,大学および医療機関等から発生する研究施設等廃棄物は,埋設処分されることなく保管が継続されている。日本原子力研究開発機構(原子力機構)は,この課題を解決するため,研究施設等廃棄物のピット処分およびトレンチ処分の埋設事業の計画を進めている。本解説では,原子力機構が計画している埋設施設および対象廃棄物の特徴を紹介するとともに,埋設施設の立地基準についての検討状況を紹介する。

  • 奥住 直明
    2023 年 65 巻 1 号 p. 30-34
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/10
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     2020年秋の大会で福島第一原子力発電所廃炉検討委員会が開催した企画セッション「『福島第一原子力発電所廃炉検討委員会』現地状況および活動報告」において「IRIDの研究開発概況」を報告させていただくとともに,その内容を「アトモス」Vol.63 No.3/2021に寄稿させていただいた。本年6月25日に開催された同委員会企画のシンポジウム「第6回東京電力福島第一原子力発電所の廃炉『チャレンジする課題』」において掲題のタイトルで発表する機会を得たので,ここに前回の寄稿内容も踏まえIRIDにおけるロボット技術開発全般について述べる。

解説シリーズ
  • 第2回 高効率な軽量フレキシブルCIS系太陽電池ミニモジュールを開発 カルコパイライト系薄膜によるエネルギー変換技術
    石塚 尚吾
    2023 年 65 巻 1 号 p. 35-39
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/10
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     軽く,曲げることも可能な太陽電池は,2022年時点で世界の太陽光発電シェア95%を占めている従来の結晶Si系太陽電池の導入が難しい場所への設置をも可能にし,再生可能エネルギーのさらなる普及が期待される。CIS系材料は,薄膜型という特徴を活かした軽量で柔軟性を有する太陽電池の作製が可能であり,従来型の太陽電池とは異なる市場形成も期待される。ここでは,太陽電池としてはもちろんのこと,センサや水素生成など,さまざまなエネルギー変換デバイスへの応用も可能なCIS系材料の魅力についても紹介する。

From Abroad
報告
  • 森田 浩介, 坂口 聡志
    2023 年 65 巻 1 号 p. 45-49
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/10
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     「すいへーりーべぼくのふね…」こう唱えて周期表に並ぶ元素名を記憶した方も多いのではないかと思います。森田らの研究グループは理化学研究所において1980年代の後半から新元素発見にむけた準備を始め,2012年までに3個の113番元素の原子の合成に成功しました。2015年の大晦日の早朝,国際純正・応用化学連合から一通のメールが届きました。私たちの研究グループを113番元素の発見者と認めるという内容で,長年待ち望んでいた「夢」がかなった瞬間でした。その後,元素名「ニホニウム」と元素記号「Nh」を提案し,「アジア初,日本発」の元素が周期表の一席を占めることになりました。これは日本の科学史上画期的な出来事であると考えます。前報に引き続き,約30年に及ぶ研究の過程,実験の詳細や苦闘に関する2報目として,ニホニウム発見への予備試験から命名権の獲得までの過程,今後の新元素探索の展開,新元素探索を通じて学んだ教訓などについてご紹介します。

  • 松崎 伸一, 西村 幹郎
    2023 年 65 巻 1 号 p. 50-54
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/10
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     地震動評価において不確かさをどのように評価するかは重要な課題である。確率論的地震ハザード解析において不確かさを体系的・定量的に取り扱う手順として,米国原子力規制委員会が策定したSSHACガイドラインがある。伊方SSHACプロジェクトは,SSHACガイドラインのレベル3を適用した国内初の取り組みである。評価結果からは,伊方発電所の基準地震動は年超過頻度で10-4~10-5のレベルにあり,国際的な水準と照らしても妥当なレベルであることを確認することができた。さらに,この結果を伊方3号機の地震PRAへ活用することとしており,その概略の影響を検証した。

  • 倫理規程制定20年シンポジウムの概要
    倫理委員会
    2023 年 65 巻 1 号 p. 55-58
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/10
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     2001年に日本原子力学会倫理規程が制定されてから20年が経過したことを節目として,「倫理は原子力の安全に寄与できるか」をテーマにシンポジウムを開催し,あらためて学会員等にとっての倫理を考える機会とし,より高い安全に寄与する行動の実践に向けて議論を行った。

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視点 原子力とリスクコミュニケーション
理事会だより
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