日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
65 巻, 9 号
選択された号の論文の20件中1~20を表示しています
新会長あいさつ
巻頭言
時論
Perspective
解説
  • 水井 宏之
    2023 年 65 巻 9 号 p. 540-543
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/10
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     新型転換炉原型炉ふげんは1979年3月の初臨界以降,約25年間の原子炉運転を経て,2003年3月29日に運転を終了した。その後,廃止措置段階の安全規制に基づき,廃止措置終了までの全期間における解体撤去の安全性等を一括して廃止措置計画に取り纏め,2008年2月に認可を取得した。認可を受けた以降,2018年3月に廃止措置工程の第1段階であった「重水系・ヘリウム系等の汚染の除去期間」を終了し,現在は第2段階となる「原子炉周辺設備解体撤去期間」において,原子炉周辺設備等の解体撤去等を進めている。ここでは,新型転換炉原型炉ふげんをめぐる状況を2回にわたって紹介し,今回はその実施状況と今後の進め方について紹介し,次回はこれまでに得られた主な知見や経験を紹介する。

  • 核熱結合を考慮したBWRプラント揺動解析
    古谷 正裕
    2023 年 65 巻 9 号 p. 544-546
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/10
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     産業競争力懇談会(COCN)では浮体式原子力発電として,格納容器の小型化が可能なBWRを採用した際の工学的課題が検討されている。一方で船舶や潜水艦としては主にPWRが研究され,運転されている。BWRは炉心で沸騰気泡が存在することにより,浮体揺動が気液二相流の変動やボイド反応度として影響することが懸念される。本解説ではプラント動特性解析コードTRACEに加速度の影響を考慮する変更を行い,定格運転条件において鉛直揺動を与えた解析を行った結果,鉛直揺動が炉内流動に及ぼす影響が小さいことを説明する。

  • NEXIPにおける浮体式炉の熱流動研究と過酷事故の実質的排除への展望
    宇井 淳
    2023 年 65 巻 9 号 p. 547-551
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/10
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     NEXIP(Nuclear Energy × Innovation Promotion)事業のひとつである資源エネルギー庁の「社会的要請に応える革新的原子力技術開発支援事業」より支援頂きながら,浮体式原子炉の成立性に関する研究を進めている。同事業における熱流動試験,受動的安全系の検討内容等を紹介すると共に,沖合で稼働する浮体式原子炉の過酷事故や放射性物質の大規模放出に繋がる事故の実質的排除への展望を述べる。

  • 中性子を用いた可視化技術の展開
    篠原 武尚
    2023 年 65 巻 9 号 p. 552-557
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/10
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     中性子イメージングは,中性子の特徴を活用した非破壊可視化技術として幅広い学術・産業分野において利用されている。近年,J-PARCを始めとする大強度のパルス中性子源施設の建設や中性子実験機器の高性能化等により,新しい中性子イメージング技術の開発が進んでいる。特に,中性子透過率のエネルギー依存性を利用したエネルギー分析型中性子イメージングは取得できる情報の多様化に寄与し,さまざまな物理特性の空間分布を2次元/3次元で表現することを可能にしつつある。本稿では,最近の中性子イメージング技術の展開と応用研究例を紹介する。

  • 日本刀の金属学的研究
    鬼柳 善明
    2023 年 65 巻 9 号 p. 558-563
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/10
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     日本刀は刃紋や地肌の美しさで,現在でも人々を惹きつけている,1000年以上の歴史を持った日本が誇る鉄文化財である。現代では,美術刀剣として所持が認められており,その美しさに評価の重点があるが,昔製作された時は当然武器としての性能が重要であった。日本刀は折れず,曲らず,良く切れると言われるように,刀として優れた特性を持たせるために色々な工夫がされている。そのような特性は,マクロな構造および金属学的特性に基づいていると考えられるが,十分明らかにされているとは言い難い。日本刀のような貴重なものについて系統的に調べるためには非破壊測定が必須である。その方法の一つとして,中性子ブラッグエッジ透過法を用いて金属学的特性を調べている。その手法と得られた結果について紹介する。

  • その限界と今後の課題
    福井 康人
    2023 年 65 巻 9 号 p. 564-567
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/10
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     本稿では,国際法が原子力発電所への武力攻撃を抑止できるかについて,現行の国際法に基づいて解説する。第1点目として,現行の国際法は原子力発電所への武力攻撃についてどのように定められているか。第2点目として,現行の国際法は,原子力発電所への武力攻撃を抑止できるような効力を持っているのか。第3点目として,もし国際法がそのような効力を持っていないのであれば,どのような枠組みや対応が必要か。第4点目として,日本の原子力発電所に適用した場合にはどのようになるかとの4点から述べる。

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