2011年の東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故を契機に,軽水炉の安全性を飛躍的に高めることが期待される事故耐性燃料(ATF)の早期実用化への関心が世界的に高まり,現在,世界中の多くの国々で研究開発が進められている。本稿では,2015年より,経済産業省資源エネルギー庁の支援のもとで進められてきている,国内のATF技術開発の概要を紹介する。
事故耐性燃料の実装化に向けた研究開発は,福島第一原子力発電所での事故以降に開始され,現在も欧米を中心に世界各国で活発化している。本稿では,諸外国における事故耐性燃料の開発状況の概要について紹介する。
過酷事故後の福島第一原子力発電所(1F)では,事故発生直後の炉心への海水注水や,建屋内への地下水の流入により,周辺環境中の微生物が原子炉建屋内に侵入している可能性がある。現在は適切な管理により微生物活動は十分に抑制されていると考えられるが,微生物の特性を理解しておくことは廃炉作業のリスク管理において重要である。本報告では,1Fから8キロ南の地点で採取された地下水中に含まれる微生物の遺伝子解析および培養試験を行い,微生物群の特性について検討した。その結果,今回用いた試料では,鉄の酸化還元を中心に,窒素,硫黄および低級炭化水素の代謝を軸とした微生物叢が構築されていることが明らかとなった。
ダイバーシティ推進と働き方改革をテーマに,全9回にわたる産・官・学のリレー連載を行う。第3回では,三菱重工グループのミッションや目指すべき姿とともに,それを実現するための代表的な活動として,人材育成,企業文化の醸成,働き方改革,女性活躍推進および障がい者雇用についての取り組みを紹介する。
青森県下北半島上北郡六ヶ所村で,日本原燃㈱が再処理工場の完工を予定している。また,ウラン濃縮,使用済原子燃料再処理,低レベル放射性廃棄物最終処分・地層埋設という原子燃料サイクル三施設が一地点に立地するのは,世界に類例のないプロジェクトである。この三点セットが立地する下北半島六ヶ所村について,この事業の立地に関わった者の一人として,この地域の開発の歴史的経緯を辿ってみる。
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