日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
62 巻, 4 号
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巻頭言
時論
特集
  • 仙波 毅
    2020 年 62 巻 4 号 p. 186-190
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/01
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     日本原子力研究開発機構は,地層処分を実施するために必要な技術や方法の信頼性を実際の地質環境において確認するため,地元自治体と協定などを締結し,北海道・幌延町と岐阜県・瑞浪市に設置した2つの深地層の研究施設計画を進めている。深地層の研究施設において地層処分事業の段階的な進展に先行して段階的に研究開発を進め,研究成果を発信している。本報告ではこれまでに得られた成果の概要を紹介する。今後とも地元自治体と締結した協定などを遵守し,地層処分の技術基盤の整備を目指して,研究開発に取り組んでいく。

      なお,本稿は,日本原子力学会2019年秋の大会バックエンド部会企画セッションにおける講演内容に加筆したものである。

  • 小林 正人
    2020 年 62 巻 4 号 p. 191-194
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/01
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     高レベル放射性廃棄物の地層処分の工学技術の開発・整備において,原環センターでは深地層の研究施設を活用した試験を実施している。地下研究施設はオーバーパックや緩衝材といった人工バリア材料の原位置における状態変遷を確認するだけではなく,操業に係る技術の実証試験の場としても有効である。その利点を最大限に発揮できるよう,「地上/地下の特徴を生かした試験の組み合わせ」,「段階的な技術開発の一条件」,「技術整備状況の説明性の向上」などに留意して,試験計画の策定や試験を実施することが望ましいと考える。

  • 幡谷 竜太, 田中 靖治, 長谷川 琢磨, 窪田 健二
    2020 年 62 巻 4 号 p. 195-198
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/01
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     電力中央研究所は,2002年度より,日本原子力研究開発機構の瑞浪超深地層研究所と幌延深地層研究センターおよびそれらの周辺において,地質環境分野の地層処分研究を進めてきた。その主な成果として,1)地下水年代測定手法の改良などによる高度化,2)割れ目が多い深成岩体(花崗岩類)の原位置でのトレーサー試験とその数値解析手法から成る物質移行特性評価手法の開発,3)地下深部に掘削された坑道周りの掘削影響領域の経時変化の把握などがある。これらの成果は,いずれも,地下深部の地層を直接見ることによって可能となったものである。

  • 澁谷 早苗, 藤﨑 淳
    2020 年 62 巻 4 号 p. 199-202
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/01
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     地層処分の実施主体である原子力発電環境整備機構は,現状において地下研究所などの研究施設を有していないため,国内外の研究機関との連携を強化することで技術力の向上を図っている。グリムゼル試験場(スイス)における国際共同研究においては,コロイドの生成と移行挙動,セメント中の核種移行挙動,結晶質岩中の核種移行挙動,金属材料腐食挙動,ベントナイトの高温影響に関するプロジェクトに参加し,地下研究施設での実測データ取得と数理モデルの妥当性の確認に取り組んでいる。こうした海外施設での共同研究に携わることで,事業実施に必要なマネジメント能力向上や現場経験を通じた人材育成のみならず,国際貢献にも寄与することが期待される。

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