胆嚢Winslow孔ヘルニアと胆嚢捻転の合併は極めて稀な病態である。かつこの病態による閉塞性黄疸合併の報告は無い。症例は97歳の女性。心窩部痛を主訴として受診。眼球結膜と皮膚に黄染を認め，血液検査で黄疸及び炎症反応陽性であった。腹部超音波と腹部CTで胆嚢捻転と診断され，かつ胆嚢のWinslow孔への嵌頓が疑われた。緊急開腹術を施行したところ上記の病態が確認され，黄疸は嵌入胆嚢による総胆管の背側からの圧排が原因と判明した。術後は順調に経過し第23病日退院となり，術後約24か月の現在，元気で外来通院中である。遊走胆嚢のWinslow孔への嵌頓と捻転により閉塞性黄疸を生じた，過去に例の無い症例を経験したので報告した。

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従来IIIa型膵損傷に対しては手術療法が主体であったが，近年保存的治療の報告が散見される。今回小児鈍的膵損傷（IIIa型）に対して保存的治療で軽快した症例を経験したので報告する。症例は 9 歳の男児，公園で転倒し腹部を打撲した。腹部CTでIIIa型膵損傷と診断した。バイタルサインは安定しており，腹部症状も軽度であったため保存的治療が可能であると判断した。入院後は絶食・安静・点滴と蛋白分解酵素阻害剤の投与を行った。経過中CTで膵仮性嚢胞の形成を認めたが経過観察にて軽快し，退院となった。小児のIIIa型膵損傷においては保存的治療で軽快する症例があることから，膵単独外傷では保存的治療も選択枝の一つであると考えられた。

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Spontaneous intracranial hypotension (SIH) is a clinical syndrome in which hypovolemia of the cerebrospinal fluid results in various neurologic symptoms. Although most patients with SIH initially visit general practitioners complaining of persistent postural headache with gradual or subacute onset, some may visit the emergency department complaining of severe headache or neck pain of sudden onset, mimicking aneurysmal subarachnoid hemorrhage, cervical arterial dissection, or herniated cervical disc. Rarely, patients with SIH may present with a low-grade fever, mimicking viral meningitis. Three of fifteen patients with SIH who have been treated in our institution during the last four years presented to the emergency department with such acute, misguiding signs and symptoms. These three cases are presented to show tips and potential pitfalls in diagnosing SIH. Making an accurate diagnosis of SIH in emergency settings is often challenging, and requires combination of thorough history taking/neurologic examination, and accurate imaging study interpretation.

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症例は22歳の女性。乗用車を運転中に誤って 5 m下の川に車ごと転落し受傷した。前医で気胸と腹腔内出血と診断され，治療目的で当院に転院となった。腹腔内の出血部位は造影CT検査では不明であった。出血性ショックであり，出血源不明のため経カテーテル動脈塞栓術（transcatheter arterial embolization; TAE）での止血は困難と判断し，試験開腹術を行った。開腹すると腹腔内には約750mlの血液貯留が認められ，左卵巣内の黄体嚢胞からの出血が持続していたため縫合止血を行った。また，損傷側卵巣に卵巣腫瘍を認めたため摘出した。その他に腹腔内臓器の損傷は認めなかった。術後は良好な経過で軽快退院した。鈍的腹部外傷における腹腔内出血の原因は肝臓・腎臓・脾臓・腸管・腸間膜の損傷によるものが多い。外傷性卵巣損傷は稀な臓器損傷形態であり，画像による確定診断は困難で試験開腹後に確定診断されることが多い。女性の出血源不明の腹腔内出血では，卵巣からの出血も考慮する必要がある。

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SW1-1　地方における救急医の役割と理想的勤務体制－岡山県，川崎医大をモデルとして－
　石原　　諭　川崎医科大学救急医学
SW1-2　病院併設救命救急センターの救急診療体制の変遷
　鍜冶　有登　大阪市立総合医療センター救命救急センター
SW1-3　救急医の役割
　高橋　　功　手稲渓仁会病院救命救急センター
SW1-4　専門各科医は救命救急科に何を求めているか－総合病院内の新設救命救急科の場合－
　浅岡　峰雄　岡崎市民病院救命救急センター
SW1-5　二次医療機関での救急部設立後の問題点
　東岡　宏明　生長会府中病院急病救急部
SW1-6　良妻賢母としての救急医
　有吉　孝一　神戸市立医療センター中央市民病院救命救急センター
SW1-7　救急医の役割
　黒川　　顕　日本医科大学武蔵小杉病院救命救急センター

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SW2-1　川崎医科大学救急医学教育卒前教育における臨床実習の試み－卒後臨床研修必修化に伴う学生臨床実習改革のアンケート調査－
　大川　元久　川崎医科大学救急医学
SW2-2　「学力」と「学ぶ」ことの原点－医学部6年生・救急医学選択実習での試み－
　行岡　哲男　東京医科大学救急医学
SW2-3　救命救急センターにおける実践型救急医療教育
　中塚　昭男　飯塚病院救急部
SW2-4　Triageトレーニング教育の開発
　林　　寛之　福井県立病院救命救急センター
SW2-5　当センターにおける次世代救急医育成の仕組み
　杉木　大輔　獨協医科大学越谷病院救急医療科
SW2-6　救急医学教育の一貫としての臨床倫理勉強会の現状
　田中　　裕　大阪大学大学院医学系研究科救急医学 附属病院高度救命救急センター
SW2-7　脳から見た救急医の条件－メタ認知能力－
　上田　　孝　誠友会南部病院脳神経外科
総括1
　平出　　敦　京都大学医学研究科医学教育推進センター
総括2
　鈴木幸一郎　川崎医科大学救急医学

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SW3-1　救急医学と救急医療のあるべき姿－ EBM からNBM へ－
　上田　　孝　誠友会南部病院脳神経外科
SW3-2　外科系集中治療室からみた救急医学，救急医療と救急医
　貝沼　関志　藤田保健衛生大学病院SICU（外科系集中治療室）
SW3-3　救急医療における臨床倫理学の確立を目指して
　田中　　裕　大阪大学大学院医学系研究科救急医学，附属病院高度救命救急センター
SW3-4　救急医療の現場における終末期医療のあり方
　小泉　健雄　杏林大学医学部救急医学
SW3-5　京都におけるDMAT・災害拠点病院合同研修会の試み
　池田　栄人　京都第一赤十字病院救命救急センター
総括1
　鈴木　　忠　東京女子医科大学救命救急センター
総括2
　岡元　和文　信州大学医学部救急集中治療医学

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