血管内人工心肺システムを用いた低侵襲心臓手術の麻酔管理を経験した.
大腿動静脈に送脱血カニュラを留置,大腿動脈より逆行性に大動脈内閉塞クランプカテーテルを挿入して大動脈内血行遮断を行なう.内頸静脈より挿入した冠状静脈洞カテーテルから心筋保護液を注入し,心停止させた.術中はF-Fバイパスで人工心肺を稼働させた.分離肺換気下,第3,第4肋間を小開胸,胸腔鏡下で観察しながら人工弁置換,冠動脈バイパス術を行なった.カテーテル留置と経食道心エコーによる位置確認に時間を要するが,創痛,感染も少なく,低侵襲心臓手術の手技として急速に普及する可能性がある.
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