日本臨床麻酔学会誌
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24 巻, 5 号
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原著論文
  • 櫻井 行一, 舘岡 一芳, 河本 瑞穂, 安田 茂, 高畑 治, 岩崎 寛
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年24 巻5 号 p. 177-181
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/31
    ジャーナル フリー
    プロポフォールを用いた麻酔導入時の問題点の一つとして, 血管痛があげられる. われわれは, 血管痛軽減対策の一つと考えられているプロポフォール・リドカインの混合投与法に関して, 両薬剤の混合による経時的な薬剤性状の変化を肉眼的観察により検討した. リドカイン混合後の時間経過に伴って, 油滴・油層がプロポフォール中に観察された. リドカイン混合により, プロポフォールのエマルジョン構造が破壊される危険性があることが判明した. リドカイン混合による血管痛対策では, プロポフォールエマルジョンに異常を認める場合があり, 危険性があることを認識する必要がある.
  • 中橋 一喜, 松成 泰典, 米本 紀子, 平井 勝治, 北口 勝康, 古家 仁
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年24 巻5 号 p. 182-187
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/31
    ジャーナル フリー
    1998年11月から2001年12月の間に, 待機手術を脊髄くも膜下麻酔(以下, 脊麻)で行い, 手術後麻酔科外来を受診した症例(898症例)に対して問診を行い, 脊麻後合併症の発生率と脊麻に対する患者の満足度について評価, 検討した. 脊麻後の合併症は女性に多く, 年齢別では13~39歳に多く, 年齢とともに減少する傾向にあった. 麻酔満足度は, 不満と訴える割合が7.8%で, その要因として, 不十分な手術中の鎮痛効果やくも膜下穿刺に関するものが多く認められた. 脊麻は手術中に意識があり, 患者にとり大きなストレスとなるため, 麻酔方法の決定には患者が納得できる麻酔方法を選択してもらう努力が必要である.
  • 小川 幸志, 水本 一弘, 畑埜 義雄, 岩上 好伸
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年24 巻5 号 p. 188-193
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/31
    ジャーナル フリー
    重度知的障害成人10例の外来歯科治療に, プロポフォールによる日帰り全身麻酔を計26回行い, その有用性と安全性を検討した. 全例, 酸素—亜酸化窒素—セボフルランによる緩徐導入後, 経鼻気管挿管を行った. 麻酔維持はBISモニター下に酸素—プロポフォールで行った. 侵襲的処置に対しては, リドカイン局所浸潤麻酔を追加した. 麻酔時間は平均167分で, 平均プロポフォール投与速度は6.2mg・kg-1・h-1であった. 麻酔薬投与中止から抜管までの時間は平均11分で, 飲水までの時間は41分であった. 覚醒時興奮および不穏を呈した者はいなかった. 麻酔終了2時間後には全例帰宅基準を満たしていた. 重度知的障害者の外来歯科治療に対するプロポフォール麻酔は安全で, 覚醒が速い, 有用な方法と考えられる.
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