日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
19 巻, 7 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 豊田 芳郎
    1999 年19 巻7 号 p. 455-467
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
  • 覚醒に影響を及ぼす要因について
    大中 仁彦, 山本 廣光, 赤塚 正文, 森 秀麿
    1999 年19 巻7 号 p. 468-473
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    要旨 予定手術患者56人を対象に,プロポフォール,ケタミン,ペンタゾシンを持続投与する全静脈麻酔法を行なった.挿管後,ベクロニウム,プロポフォールの持続投与とともにケタミン(240•g•kg-1•h-1),ペンタゾシン(120•g•kg-1•h-1),ベクロニウム(80•g•kg-1•h-1)を同時投与して麻酔を維持し,おのおのの薬の持続投与を終了してから覚醒に要した時間を測定した.その結果,手術終了から覚醒まで平均7.5±5.4分であった.しかし,高齢者群,長時間麻酔群では,覚醒は有意に遅延した.
  • 奥富 俊之, 天野 完, 外 須美夫, 田口 雅之, 荒井 忠士
    1999 年19 巻7 号 p. 474-479
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    分娩麻酔に硬膜外麻酔を用いた場合,数時間後より母体中枢温の上昇がみられ,児の感染との関係が危惧されている.そこでわれわれは腰部硬膜外ブピバカイン濃度が母体の腋窩温に差を及ぼすかどうかを後方的に調査した.方法としては,2年間に硬膜外麻酔下に行なわれた1,532例の分娩のうち,分娩時間が8時間以上に及ぶ症例を抽出し,0.125%, 0.375%, 0.5%ブピバカインを用いた61例につき,麻酔開始前,開始1, 5, 8時間後,麻酔中止1時間後,翌朝の腋窩温を調べた.いずれの群でも麻酔開始8時間後には有意な体温上昇がみられ,腋窩温は麻酔開始前に比べ約1°C上昇し,翌朝には麻酔前値に戻った.3群間には有意差はなかった.38°C以上の上昇例は35~47%に及び,全例臨床的な感染兆候はみられなかったものの,発熱例では慎重な経過観察が必要と考えられた.
  • 河野 伸一, 若林 ちえ子, 佐藤 重仁
    1999 年19 巻7 号 p. 480-484
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    開胸手術患者75名を対象として,硬膜外腔ドロペリドールの制吐•鎮痛効果について検討を行なった.ドロペリドールを閉胸操作開始時に1回投与した群(1回投与群:n=25),1回投与に加え持続投与を行なった群(持続投与群:n=25),硬膜外腔にドロペリドールを投与しなかった群(対照群:n=25)において術後48時間の嘔気•嘔吐,鎮痛効果を追跡調査した.嘔気•嘔吐を訴えた症例は持続投与群では2名,1回投与群では7名,対照群では14名であった.また鎮痛薬の使用頻度は一人当たり対照群2.4±1.8回(平均値±SD),1回投与群2.3±1.3回に対し持続投与群では0.64±0.82回と,ドロペリドールによる鎮痛作用の増強も示唆された(P<0.01).開胸術後のドロペリドール硬膜外腔持続投与は術後の制吐•鎮痛に有用である.
  • 井口 まり, 森本 文子, 秦 恒彦
    1999 年19 巻7 号 p. 485-490
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    当院において1980年9月から1995年3月に行なった16歳未満の硬膜外麻酔(仙骨麻酔を除く)1,287例を対象とした.年齢5ヵ月から15歳9ヵ月,身長63~175cm,体重6.51~89.5kgであった.合併症は硬膜穿刺17例,出血5例,局麻薬中毒疑い4例,硬膜外膿瘍1例であった.硬膜穿刺は17例中10例が20G Tuohy針にて発生しており,不慣れな小児用の細い硬麻針を用いることが原因の一っと考えた.また,硬膜外膿瘍の1例は帯状疱疹の症例で,痛みのため穿刺前の入浴,清拭が十分ではなかったことが疑われた.この症例は椎弓切除•病巣掻爬を行ない,後遺症を残さず退院した.小児の椎間硬膜外麻酔は近年急速に増加しており,より安全な穿刺を心がけたい.
  • 長谷川 隆一, 江島 豊, 星 邦彦, 松川 周, 加藤 正人, 橋本 保彦
    1999 年19 巻7 号 p. 491-495
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    人工呼吸器のON-OFF法による呼吸訓練で,9ヵ月間の人工呼吸から離脱できた81歳のギラン•バレー症候群重症例を経験した.患者は入院後よりただちに人工呼吸管理を行ない,4ヵ月後より自発呼吸が出現してON-OFF法による呼吸訓練を開始した.徐々にOFF時間を延ばし,挿管より9ヵ月後には四肢の筋力も回復して完全に人工呼吸から離脱することができた.呼吸筋の回復は部位により差があったが,超音波検査法で横隔膜の回復を経時的に観察することができ,呼吸訓練を進めるうえで有用であった.また,呼吸筋疲労の評価では本人の訴えや呼吸状態にばらつきが大きく,呼気二酸化炭素分圧の変化が最も客観的な指標と思われた.
  • 山田 圭輔, 小室 明子, 吉山 毅, 浜谷 和雄
    1999 年19 巻7 号 p. 496-499
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    硬膜外麻酔併用全身麻酔下にS状結腸切除術を行なった患者で,第1病日の朝には異常がなかったが,夕方より右下肢の感覚鈍麻及び運動障害が出現した.CT及びMRI撮影を行なった結果,広範囲の椎体にがんの転移を認め,神経根を圧迫している可能性が示唆された.その後,右下肢及び左下肢にも疼痛が出現したことから,がんの椎体への転移が今回の神経症状の原因であると考えられた.大腸癌の骨転移はまれで,術前に骨スキャンなどの検索は行なわれないことが多い.しかし,他臓器転移を伴う大腸癌の患者では,骨転移にも注意するべきで,術後に神経障害をきたした場合には,がんの脊椎転移を原因の一つとして検索する必要がある.
  • 二神 信夫, 砂川 浩, 讃井 將満, 谷口 良久, 村山 隆紀, 瀬尾 憲正
    1999 年19 巻7 号 p. 500-504
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    術後に異所性褐色細胞腫と診断された不安定狭心症に対する,冠動脈バイパス術(CABG)ならびに同患者におけるCABG後の腫瘍摘出術を経験した.患者は,56歳の男性,不安定狭心症,後腹膜腫瘍と診断され,準緊急でCABGを行なった.麻酔はプロポフォールとフェンタニルにて維持した.入室時より血圧が高く,PGE1,ニカルジピンなどの静脈内投与を行ない,経過は順調であった.その後,異所性褐色細胞腫の確定となり,腫瘍摘出術が行なわれた.麻酔は,プロポフォール,フェンタニル,硬膜外麻酔にて維持した.腫瘍操作による血圧上昇に対して,フェントラミン,ニカルジピンなどの静脈内投与で対処した.術中,術後とも心虚血所見は認めなかった.
  • 宮尾 秀樹, 官川 響, 高田 稔和, 岡本 由美, 片山 顕徳, 川添 太郎
    1999 年19 巻7 号 p. 505-509
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    加湿チャンバーを使用せず,メッシュ状の疎水性中空糸に水を通し,熱線で加熱する機構をもった新開発加温加湿器(HUMMAX®)の性能試験を目的とした.方法:10, 20, 30l•min-1の空気定常流をHUMMAX®に流し,設定温度35, 37, 39°C,熱線出力電圧20, 26, 30Vで吸気回路出口の温度,相対湿度,絶対湿度を測定した.結果:すべての設定で85%以上の相対湿度と32mg•l-1以上の絶対湿度を記録したが,出力20Vと30Vでの温度制御に問題があり,相対湿度の若干の低下が認められた.結語:HUMMAX®は出力26Vで相対湿度(範囲91~99%),絶対湿度(範囲35~44mg•l-1)ともに十分な性能が認められた.
  • 重松 次郎昌幸, 山田 達也, 津崎 晃一, 落合 亮一, 武田 純三
    1999 年19 巻7 号 p. 510-514
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    慶應義塾大学病院で1996年9月から1997年2月までの6ヵ月間における麻酔科管理の手術件数は2,681例で,そのうち術前に麻酔科診療依頼が出されたのは432例であった.科別でみると,耳鼻咽喉科20.4%,整形外科18.3%,一般外科171%,産婦人科11,6%の順に多く,この4科で全依頼の67.4%を占めた.診療依頼の内容は呼吸•循環器系の合併症に関するものが多く,依頼理由の52.6%を占めた.一方,依頼の内容に不備があったり,必要性が低いと考えられるものが12.1%でみられた.麻酔科術前診療依頼をより有用なものとするために,今回の結果をもとに術前評価•術前依頼の手引きを作成した.加えて,効率のよい周術期管理のために診療依頼の新しいシステムを確立する必要があると考える.
  • 内海 潤, 柴田 正俊
    1999 年19 巻7 号 p. 515
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
feedback
Top