医療事故調査制度は,医療に起因あるいは疑われる予期せぬ死亡を対象に第三者機関が情報収集・分析し再発を防止することを目的としている.本制度施行からの9カ月間における相談件数は1,381例であり,約20%は患者遺族からの申し出であった.背景には不信と疑問があり,インフォームドコンセントの重要性がうかがわれる.起因となった医療は外科手術が最も多く,その管理を担当する麻酔科医にとっても無関係ではない.各施設においては,インフォームドコンセントのガイドラインを作成し,それに準じて行う必要がある.今回,医療事故調査制度における注意点,当院におけるインフォームドコンセントへの取り組みについて述べる.
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