上肢手術50症例に施行した,エコーガイド下腕神経叢ブロック腋窩法の成績について検討した.ブロック施行20分後の知覚神経のブロック率は,橈骨神経90%,尺骨神経96%,正中神経92%,内側前腕皮神経96%,筋皮神経70%であった.この成績は,近年普及している神経刺激装置を用いた方法の成績に匹敵する.エコーガイド下腕神経叢ブロック腋窩法は,画像で確認しながら局所麻酔薬を神経血管鞘内に投与するため,神経損傷や血管内への局所麻酔薬投与の危険性を少なくすることが可能である.エコーガイド下腕神経叢ブロック法は,上肢手術に対する手技として安全で有用な方法である.
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