1998年10月~2004年5月に, 集学的治療を行った悪性胸膜中皮腫は7例で, 男性7例, 年齢50~72歳 (平均60.6±7.0歳), 病側は左4例, 右3例であった. 治療内容は, 胸膜肺全摘術, 術後化学療法 (ADM 60mg/m
2, CPA 600mg/m
2, CDDP 70mg/m
2) および放射線療法 (術側全胸壁に54~60Gy) とした. 組織亜型は, epithelial type 5例, sarcomatous type 2例で, International Mesothelioma Interest Group (IMIG) による臨床病期はIII期5例, IV期2例であった. 病巣は全例肉眼的には完全切除された. 術後合併症は, 心不全3例で軽快した. 化学療法によるGrade 4の毒性は5例にみられ, 好中球減少が5例, 貧血が1例, 血小板減少が1例, 食欲不振が1例であった. 5例は治療を完遂したが, 1例はPSの低下のため化学療法・放射線療法を途中で中止し, 1例は化学療法により全身状態不良となり中止した. 全症例の2年生存率, 5年生存率はそれぞれ68.6%, 45.7%であり, 中間生存期間は29.0ヵ月であった. 悪性胸膜中皮腫に対する集学的治療は, 長期生存を期待できる.
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