化粧品の香りは商品を差別化する上で重要な役割を担っており,より好まれる香りの開発のために嗜好調査が行われている.しかしながら,化粧品は連続使用(連用)が想定される商品にも関わらず,連用過程で形成される化粧品の香りに対する印象変化まで追求した評価方法は確立されておらず,こうした化粧品連用時における評価方法の構築が待たれる.
本研究では化粧品の長期連用に伴い形成される香りに対する肯定的な評価を「やみつき感」と定義し,これを構成する要因を探索的に調べることとした.1ヶ月間化粧品を連用した際の化粧品の香りに対する印象の時系列変化を調査する行動実験,および,化粧品の香りに対するやみつき感に関するオンライン調査を行った.行動実験,およびオンライン調査の結果から,化粧品連用時における化粧品の香りに対するやみつき感を評価するためには,「好き」,「強い」の評価項目に着目し,長期連用時の印象を継続的に記録することが有用であることが示唆された.
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