におい・かおり環境学会誌
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37 巻 , 5 号
SEPTEMBER
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特集(最近の家庭用芳香消臭脱臭剤の動き)
  • 岩橋 尊嗣
    2006 年 37 巻 5 号 p. 333
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/02/20
    ジャーナル フリー
    これまで,当協会は,主にアウトドアでの臭気対策に力点を置いてきている.2003年“臭気対策研究協会”から“におい・かおり環境協会へと名称を変更し,アウトドアでの臭気対策を主流としてきた協会業務をインドア臭気対策へも拡大し,さらに“かおり”分野にも進出していく方針を明確に打ち出した.しかし,当協会のインドア臭気対策およびかおり分野に関する情報量には,おのずと限界がある.これまでも,本誌では消・脱臭剤に関する特集,人体に関わる臭気問題など,インドア関連の情報を提供してきた.しかし,多種多様を極めるインドア臭気問題を一括して考えることには,所詮無理があるように思える.そこで本号では,最も身近であり,かつ最大のマーケットを誇る一般家庭内での臭気問題・臭気対策を取り上げることにした.国内においてこの分野を掌握しているのは,厚生労働省(旧厚生省)の指導下で設立された“芳香消臭脱臭剤協議会(以下,協議会と略記する)”である.本特集では,この“協議会”の事務局にお願いし,協議会全体の活動内容について執筆いただくと共に,一般消費者向けの芳香剤,消臭剤,脱臭剤市場が現状どのような動きをしているかについての情報をご提供いただいた.最初に,協議会事務局長および理事を務められている矢田氏(小林製薬株式会社)に協議会設立にまつわる話題について説明していただいた.そもそも,雑貨というジャンルに区分けされる芳香消臭脱臭剤には特定の規約は無く,あくまでも個々のメーカー責任のもとで種々の製品が開発上市されていた.しかし,製品の安全性,効能,取り扱い法など消費者に対する情報提供の重要性が求められ,各メーカーが共通認識の下に商品開発が行えるように,自主基準(効力試験法)なるものを制定した.その自主基準をクリアーしている商品に対して「適合マーク」(336頁に掲載)の使用が許可されている.おそらく,このマークを店頭で目にされた方々もおられるでしょう.しかし,1990年に制定(1992年改定)された自主基準も現状にそぐわない部分が指摘され,見直し作業が2002年より3年間かけて,協議会内に設置された技術委員会のメンバーによって行われた.詳細について,技術委員会委員長を務められている田中氏(小林製薬株式会社)に執筆いただいた.引き続き,一般消費者向けの芳香消臭剤に関する情報をレビューも含めて永友氏(小林製薬株式会社)に執筆いただいた.永友氏らの生活臭に関する最近のアンケート調査によると,他人の家を訪問したときに97%〓の人が室内臭気が気になるとし,自宅でも80%〓近くの人がにおいを気にしているという結果が出ている.明らかに一般家庭で,におい対策へのニーズが高まっている事を裏付けている.芳香消臭脱臭剤市場では,最近新規参入する大手メーカーも多く,確実に顧客を掘り起こしている.したがって,メーカー間の新商品開発も熾烈を極めている.最後に,これら商品を消費者が購入し使用された時点で発生した事故事例について,波多野氏(財団法人 日本中毒情報センター)に執筆いただいた.すでに日本が突入した高齢化社会において,におい問題の解決はますます重要になり,手軽に購入可能な芳香消臭剤の役割は増している.商品が不特定多数の人達に渡ると,思わぬ事故が起こる.起こり得る事故を最大限に想定し,より安全な商品の開発が大切になってくる.このような背景からも,発生した事故の状況を知る事は非常に重要であろう.波多野氏の執筆内容は,私達にとってなかなか入手する機会が少ないデータであり,貴重な情報ではないだろうか.以上,本特集にあたっての概要について述べさせていただいた.本協会の多くの会員の方々にとって有意義な情報になってくれることを願いたい.最後にご多忙中にもかかわらず執筆をご承諾いただいた先生方に,この紙面を借りて厚く御礼申し上げる次第です.
  • 矢田 英樹
    2006 年 37 巻 5 号 p. 334-338
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/02/20
    ジャーナル フリー
    芳香消臭脱臭剤協議会は,一般消費者がより安全に使用可能な品質を確保した製品の供給を行いより信頼される業界とすることを目的として,厚生労働省(旧厚生省)の指導の下に昭和63年10月に設立された.平成2年には,製品の安全性,有効性,安定性および表示などに関して「一般消費者用 芳香・消臭・脱臭剤の自主基準」を制定,翌年実施に移し,本基準に適合した350製品あまりに「適合マーク」を発行している.また,自主基準の補足として実施要領(効力試験方法や表示例など)を作成している.現在も,自主基準および「適合マーク」の一層の普及,会員の意識高揚,未加入企業への入会勧誘などに関する活動を行っている.
  • 田中 廣通
    2006 年 37 巻 5 号 p. 339-354
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/02/20
    ジャーナル フリー
    一般消費者用の芳香剤,消臭剤,脱臭剤,防臭剤の効力試験法は平成2年に制定されたが,その後,大きな改正は行われていなかった.今回,すべての試験法の見直しを行ったので,その内容について説明する.改正のポイントは (1)実空間での効果を考慮した試験法を設定したこと,(2)試験方法を簡素化したこと,(3)効果判定基準を明確にしたことの3点である.芳香剤効力試験法では実使用での効果を重視し,実空間での試験を基本として,24時間以内に人が何のにおいか認知できるレベル(臭気強度2以上)になっていることを判定基準とした.消臭剤効力試験(化学的消臭),脱臭剤効力試験(物理的消臭)では,10Lエアバッグと検知管を用いた方法を基本とし,効果判定では悪臭の90%が除去されるのに要する時間(τ0.1)が10時間以内かどうかを判定基準とした.90%除去時間τ0.1を簡単に求めるため,消臭剤または脱臭剤と悪臭との反応が1次反応あるいは2次反応に合致するかを検証し,ほとんどの場合でよく一致することが判明したため,理論的にτ0.1を求め,効果判定に用いることとした.消臭剤効力試験(感覚的消臭)では10Lエアバッグを用いた方法を基本とし,悪臭物質と消臭剤の反応は無視し,悪臭物質注入後直ちに嗅覚測定法による測定を行うこととした.判定基準はブランクと比較して悪臭の臭気強度もしくは快・不快度が1段階以上軽減していることとした.防臭剤効力試験法では10Lエアバッグを用いた方法を基本とし,判定基準はブランクに比べて悪臭物質の発生が10%以下に抑制されていることとした.
  • 永友 茂美
    2006 年 37 巻 5 号 p. 355-361
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/02/20
    ジャーナル フリー
    日本の家庭用芳香消臭剤市場はここ数年,成長の鈍化が続いていたが,2005年は新規メーカーの参入により市場が活性化され成長した.特に注目すべきは室内用の消臭剤で,従来のトイレやタバコ,ペットなどの具体的な特定悪臭に対する対策製品ではなく,各家庭に特有のこもったにおいをターゲットにした新コンセプトの消臭剤が登場している.こうした動きは新たな消臭剤や製品形態の開発を加速させ,新技術を用いた消臭剤の開発が今後も注目される.その一方で,香りを楽しむ芳香剤としての用途が日本では低く,芳香消臭剤市場が抱える課題の一つである.
  • —トキシコビジランスの立場から—
    波多野 弥生, 遠藤 容子, 黒木 由美子, 真殿 かおり, 飯塚 富士子, 吉岡 敏治
    2006 年 37 巻 5 号 p. 362-370
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/02/20
    ジャーナル フリー
    (財)日本中毒情報センターで受信した家庭用品による急性中毒事故の発生状況を解析した結果,事故は製品の用途,成分,剤型,容器,使用方法,使用場所などの要因が複合的に作用して発生していた.芳香消臭脱臭剤による事故の発生状況は多種多様な製品が市販されていることを反映してさまざまであり,また高齢者では健康被害のリスクが高いと考えられる.一方,企業の製品表示作成者に対して健康被害の危険認識度に関するアンケート調査を行ったところ,危険認識度は低く,製品表示作成のための基礎資料も十分ではないが,製品表示作成に健康被害事故情報が有用であると考えていることが判明した.以上を基に(財)日本中毒情報センターではトキシコビジランスの立場から製品表示作成システムを提案した.
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