におい・かおり環境学会誌
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37 巻 , 2 号
MARCH
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特集(においと健康(Part 2))
  • においと健康(Part 2)
    岩橋 尊嗣
    2006 年 37 巻 2 号 p. 79
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/27
    ジャーナル フリー
    2005年9月号(Vol. 36, No. 5)で「においと健康 Part 1」という題目の特集を掲載した.その中で,ヒトの生体からは多くの揮発性物質が,呼気としてあるいは皮膚を通して排出され,そして,これらのガス状物質を測定することで,たとえば被験者に採血という侵襲性の負担をかけずに,様々な貴重な生体情報の入手が可能になりつつあることを紹介した.本号では,さらに「Part 2」として,生体ガスから得られる様々な情報について専門の先生方に執筆願い,前回特集と同様に多くの貴重な情報を提供していただいた.以下に,それらの内容について簡単に紹介させていただく.
  • —歯周病,口臭モニターへの臨床活用—
    上田 雅俊
    2006 年 37 巻 2 号 p. 80-88
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/27
    ジャーナル フリー
    我々は,メチルメルカプタンではなく,アンモニアをターゲットに新しく口臭検査装置を開発し,その装置で測定したアンモニア量とガスクロマトグラフィでのメチルメルカプタン量との間には相関性が認められ,また,口臭のしない者のアンモニア量は16ppm以下であることを確認した.さらに,口臭のする被験者については,歯周組織の臨床的パラメーターならびに位相差顕微鏡による歯周ポケット内微生物とアンモニア量との間に有意な正の相関性が認められた.一方,初診時と比較して歯周基本治療後の方がアンモニア量は軽減した.また,市販されている口臭対策を目的としたいくつかの商品についての評価も行った.
  • 福田 篤久, 石田 浩美, 久保田 芽里, 小島 義忠
    2006 年 37 巻 2 号 p. 89-93
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/27
    ジャーナル フリー
    従来,医療機関において一酸化炭素中毒患者におけるCOHbの測定は,オキシメーターに頼っているのが現状である.また,COHbの測定には採血という侵襲が加わるため頻回に検査することができず,機器が大型であるためベッドサイドでリアルタイムな測定も不可能である.しかし近年,非侵襲的に検体の採取が可能であるため繰り返し検査ができ,リアルタイムに結果報告が可能な呼気ガス分析装置が多くの分野で臨床応用されつつある.今回我々は,小型軽量で迅速簡便に呼気中CO(ppm)および,COHb(%)が測定できるBedfont Scientific社製EC50 ToxCOを使用する機会を得たので,その基礎的検討を行うとともに,臨床応用の可能性を検討したので報告する.
  • 植田 秀雄
    2006 年 37 巻 2 号 p. 94-98
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/27
    ジャーナル フリー
    一酸化炭素(CO)は,無味,無臭の有毒ガスとして知られ,不完全燃焼過程や排ガス中に高濃度に含まれる.公害問題や事故,事件などでも取り上げられたりするので,われわれに馴染みはあるが決して良いイメージではない.しかし,近年この“毒ガス”COが生体内で産生され(内因性CO),しかもそれがさまざまな有用な作用をもたらしていることが知られるようになってきた.さらに,低濃度のCOを生体に付与することでも抗炎症作用など治療効果が確認されている.また,臓器移植の分野ではCOがもたらすさまざまな臓器保存効果が知られるようになってきた.本稿では,COを取り巻くこのような背景をもとに,COが簡便,迅速に測定できる2種類の小型測定器について,その特性と基礎および臨床上の有用性について解説する
  • —消化管の活動を診る—
    瓜田 純久, 杉本 元信, 三木 一正
    2006 年 37 巻 2 号 p. 99-104
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/27
    ジャーナル フリー
    現代の医療では非侵襲的に多くの情報を得ることが求められている.採血さえも不要な呼気試験は,検査方法を工夫すると,多くの消化管情報を得ることができるが,その中心は水素・メタンガスの測定である.空腹時の呼気中水素は消化管発酵反応の指標と考えられているが,その再現性は低く,解釈は難しい.そこで,試験食を負荷して呼気中水素・メタンガスの経時的な変化から病態を評価する方法が一般的である.非吸収型の炭水化物,食物繊維などは小腸で吸収されず,大部分が大腸へ到達し,腸内細菌の発酵反応で分解される.この際発生する水素・メタンガスの時間,量からガス発生部位を推定し,消化管通過時間,細菌の異常増殖を診断することができる.発酵生成物が腹部症状を惹起する場合もあり,消化管での発酵の程度を把握することは重要である.今回,臨床現場における水素・メタンガス測定の実際を述べる.
  • 石井 敬基, 河野 匡, 伊藤 あすか, 浅井 聰
    2006 年 37 巻 2 号 p. 105-109
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/27
    ジャーナル フリー
    近年の分析技術の発達により,人の呼気に含まれている成分を分析し,消化器疾患の病態や,消化管機能との関係を検討する試みがなされている.呼気中13CO2赤外分光分析装置が臨床検査方法として導入され,13C標識化合物呼気テストが消化器疾患の診断,治療効果の判定に用いられ始めている.我々は肝機能検査としてL-[1-13C]phenylalanine呼気テストを施行し,従来の肝機能検査とことなり,肝臓の線維化の進行や,肝臓全体の酵素活性が推定可能であることを示した
研究論文
  • 樋口 能士, 上原 真哉, 杉山 仁一
    2006 年 37 巻 2 号 p. 110-121
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/27
    ジャーナル フリー
    ガス状VOC(揮発性有機化合物)の生物処理法(生物脱臭法)の性能強化と安定性向上を目的に,新規装置である「充填塔連結流路可変型生物脱臭装置」を提案し,トルエンを処理対象とした基礎的実験を行った.実験では,PVF担体(ポリビニルホルマール担体)充填層を3層直列で接続し,ガス流路,すなわち3充填層への通気順序を一定時間間隔で切り替え,ガス流路切換時には充填層を洗浄して,提案した装置の運転条件を再現した.実験の結果,洗浄に用いる無機栄養塩溶液の窒素成分の増加でトルエン除去速度が向上し,また,充填担体の至適含水率は60%程度であった.一方で,実験で用いた充填担体では,洗浄液の流れによる物理的な洗浄力のみで過剰な菌体蓄積を排除できず,菌体の制御には薬液洗浄が有効である可能性が示唆された.また,平均気孔径2.0mm, 気孔率96%の新たな透過性PVF担体を開発して使用した結果,最適操作条件の下では,200ppmvまでのトルエン濃度に対して1次反応による処理が観察された.さらに,新規PVF担体では40~80%の広い含水率範囲で最大値に近いトルエン除去性能が維持された.本実験の平均的な条件で得られたトルエン除去に関する1次反応速度係数(収着速度係数)は約0.05sec-1,トルエン流入濃度200ppmvの環境下でのトルエン除去速度は140~200gm-3h-1の範囲であった.
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