ミダゾラム注腸による術前鎮静では,年少児ほど効果が減弱することが報告されている.この現象に年齢による代謝の違いが関与しているか,8歳までの手術患者13名を対象として血中濃度を測定し検討した.ミダゾラムは入室30分前に1mg/kgを注腸し,鎮静度は6点法で,血中濃度は観血的動脈路留置後,動脈血で測定した.鎮静度,年齢,血中濃度の関係をSpearmanの順位相関を用いてp<0.05を有意とし検定した.年齢と鎮静度に相関を認めたが,年齢と血中濃度,鎮静度と血中濃度には相関を認めなかった.鎮静度の差は年齢による体重当たりの肝血流の差などの代謝による違いだけでは説明できないことが示唆された.
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