日本航空宇宙学会誌
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57 巻, 666 号
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解説
  • Jozef C. VAN DER HA
    2009 年 57 巻 666 号 p. 191-198
    発行日: 2009/07/05
    公開日: 2019/04/22
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    本解説は,宇宙機の姿勢決定と制御の分野から,いくつかのトピックを取り上げ紹介する.著者は,欧州宇宙機関(ESA)や米国航空宇宙局(NASA) の人工衛星を,過去30年にわたり数多く設計・運用してきた.本稿のトピックは,その経験の中から選んだスピン安定衛星と3軸安定衛星は,姿勢決定と制御に大変異なる概念と方法を用いているが,本稿はその両方をカバーする.スピン安定は魅力的な方式である.なぜなら,ジャイロ剛性が外乱トルクに対するロバスト性を提供するからである.この点は,高推力の固体ロケットモータや2液式エンジンによる軌道投人マヌーバの際に,特に重要となる.スピン軸方向の正確な決定と制御が,噴射後目標とする軌道に到達するのに必要な,精密な軌道速度増分を得るのに欠かせないからである.本稿では,最もよく使われているアプローチである太陽センサと地球センサを用いたスピン軸姿勢決定について,主要な側面を紹介する. また,スピン軸方向を制御する最も実用的な手法にも言及する.航程線マヌーバと呼ぶこのアプローチは.太陽センサ信号と同期したパルスモードで,スラスタを噴射することで実現される.本稿の後半では, 3軸姿勢安定に焦点を当てる. TRIAD法やQUEST法は.よく使われている姿勢決定アルゴリズムであり,大変有効である. しかしながら,これらを使うことができるのは,空間に固定された基準姿勢に対して計測する場合のみである.一方,カルマンフィルタとして知られる推定方法は, より柔軟で,急速に変化する姿勢にも対応できる.厳しい姿勢要求が課されている3軸安定ミッションには.センサという点では,恒星センサが必要である.それほど厳しくない精度要求のミッションの場合は.太陽センサと磁気センサが.低コストの選択肢となる.本稿では,最後に,地球磁場を用いた3軸姿勢決定と制御の方法を紹介する.これらのアプローチは,数degレベルの比較的中程度の指向決定・制御性能しか提供しないが低コストで設計が簡単であるという理由で魅力的である,

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