日本航空宇宙学会誌
Online ISSN : 2424-1369
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72 巻, 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
連載 温「個」知新
連載 TOP POINT~学会賞受賞者の声~
特集 航空宇宙技術遺産第一号 第6回
  • 浅井 圭介, 渡辺 重哉, 野久 徹
    2024 年 72 巻 2 号 p. 45-48
    発行日: 2024/02/05
    公開日: 2024/02/05
    ジャーナル 認証あり

    STOL(Short Takeoff and Landing)実験機「飛鳥」はUSB(Upper Surface Blowing)方式の短距離離着陸実験機である.ターボファンエンジンを主翼上面に配置し,フラップに沿ってエンジン排気を下方へ曲げることでSTOL性を確保するとともに,地上への騒音を大幅に低減した.3年半にわたる飛行実験で,パワード・リフト機の空力・飛行性を実証する世界的に貴重なデータを取得した.「飛鳥」が我が国の航空宇宙技術の発展と人材育成に果たした役割は大きく,同機によって獲得された数多くの成果は航空宇宙技術遺産と呼ぶに相応しいものと判定され,日本航空宇宙学会の航空宇宙技術遺産第一号に認定された.

特集 JAXA航空が目指す航空利用社会の将来像と重点課題 第3回
  • 牧野 好和, 中 右介, 赤塚 純一, 上野 篤史, 石川 敬掲
    2024 年 72 巻 2 号 p. 49-55
    発行日: 2024/02/05
    公開日: 2024/02/05
    ジャーナル 認証あり

    宇宙航空研究開発機構(以下,JAXA)航空技術部門では,航空分野のみならず幅広い分野の企業・学界・エアラインの有識者からなる外部委員会による検討を経て,JAXA航空技術部門が目指す航空利用社会の将来像と重点課題,及びその実現に向けた個別具体的な研究開発課題とその取組方策を取りまとめた.本報は,重点課題の一つである静粛超音速機技術についてJAXAの研究開発を報告する.コンコルドの後継となる海上のみ超音速飛行を行う超音速機から,陸地上空を自由に超音速で飛行可能な低ブーム超音速機までを想定し,その実現に向けた技術課題を整理したうえで,求められる研究開発として巡航性能向上技術,離着陸騒音低減技術,ソニックブーム低減技術に関するJAXAの取組を紹介する.民間超音速機開発や超音速機のための国際環境基準策定の動きが進む中,これらは超音速機の新市場を拓く可能性を秘めている.

特集 超低高度衛星技術試験機「つばめ」(SLATS) 第7回
  • 後藤 大亮, 池田 博英, 川崎 春夫, 今村 俊介, 篠崎 昇
    2024 年 72 巻 2 号 p. 56-62
    発行日: 2024/02/05
    公開日: 2024/02/05
    ジャーナル 認証あり

    超低高度衛星技術試験機「つばめ」(SLATS: Super Low Altitude Test Satellite)では,超低高度からの観測を技術実証するため,軌道高度を変更あるいは維持するために電気推進系(イオンエンジンシステム:IES)と化学推進系(RCS)の2種類の推進系が搭載されている.RCSはヒドラジン一液式であり,そのスラスタには定格推力1 N[ニュートン]の国産スラスタ(以下1 Nスラスタ)が4基使用された.この1 Nスラスタは2009年から2012年にかけて新たに開発され,従来の1 Nスラスタと比較して,飛躍的な長寿命および高信頼性,低コストを実現した.「つばめ」のRCSにファーストフライト品として採用され,軌道上においてその機能・性能を実証するとともに,「つばめ」のミッションの成功に貢献した.本稿では,この1 Nスラスタの開発過程と軌道上動作について紹介する.

特集 航空交通データの分析とその利活用 第11回
  • 原田 明徳, 武市 昇
    2024 年 72 巻 2 号 p. 63-69
    発行日: 2024/02/05
    公開日: 2024/02/05
    ジャーナル 認証あり

    適切な交通流管理のためには正確な飛行軌道予測が一つの重要な技術となる.すべての飛行について,予測軌道に基づき定点の通過時刻を適切に調整し指示することで,滞留を緩和し全体の運航効率改善につながると考えられる.実飛行の軌道予測には機体に搭載されている飛行管理システムの参照軌道を地上側で正確に予測することが必要である.特に比較的長距離の路線において,巡航区間は飛行時間の予測精度が全体の精度に大きく影響し,積極的に調整が行われ得る区間でもあるという点で重要である.本稿では,飛行計画の巡航マッハ数の軌道予測計算への利用可能性を実運航データとの比較および統計分析により明らかにし,軌道予測のモデル構築に向けて得られたいくつかの知見を紹介する.なお,本研究は航空会社の運航管理業務において実際に用いられた飛行計画データを多数用いて統計分析を行った本邦初の取り組みである.

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