宇宙航空研究開発機構の航空技術部門では,2020年代と 2030年代に開発開始が想定される航空機への適用を目指し,抵抗低減や構造軽量化による燃料消費量削減と CO
2排出量低減を実現する技術,および空港騒音低減のための設計基盤技術の研究を,「エコウィング技術の研究開発事業」において実施した.この構造技術研究の一つとして,主翼に作用する空力荷重分布を制御することで翼構造の曲げモーメントを低減させて構造強度の余裕を生み出すこと,さらにこれを構造重量軽減につなげることを目指し,「荷重制御技術の研究開発」を進めた.研究では,解析により最適な空力荷重分布を求めるとともに,風洞試験により当該技術の有効性を確認することができた.本稿では,これらの主要成果の概要を報告する.
抄録全体を表示