1959年,国連総会において「宇宙空間の平和利用に関する国際協力」と題する決議が採択され,「国連宇宙空間平和利用委員会」(COPUOS:Committee on the Peaceful Uses of Outer Space)が設置された.国連宇宙部(United Nations Office for Outer Space Affairs : UNOOSA)は,1962年にCOPUOSの事務局として発足したのが始まりである.国連宇宙応用プログラム(United Nation Programme on Space Applications)は1971年に創設され,これまで40年にわたり世界各地でワークショップやセミナーなどを開催し,発展途上国における宇宙技術応用の普及に貢献してきた.「有人宇宙技術イニシアチブ」(Human Space Technology Initiative:HSTI)は宇宙応用プログラムのもと2010年に立ち上がり,有人宇宙活動がもたらす新しい科学技術の普及と国際協力の推進を目標としている.2013年,HSTIは微小重力模擬実験装置の配布事業を開始した.この事業は,微小重力科学における教育・研究活動を世界に広げること,とりわけ発展途上国での人材育成支援を通じ,より多くの人々に宇宙活動の意義を理解してもらうことを狙いとしている.
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