航空機は,その最大の特徴である高速性を活かし,人や物の輸送をはじめ,現代社会の様々な部門で利用されており,経済社会の発展及び国民生活の向上のために必要不可欠な社会インフラとなっている.また,アジア地域を中心とした新興国の発展や,グローバル化が進展することにより航空機が活躍する機会は増加することが見込まれている.このため文部科学省では,世界の航空機需要の成長を踏まえ,我が国の航空機産業が自動車産業に比肩する成長産業とするため,長期的な視野にたった航空科学技術に取り組むこととし,その具体的方針について,平成26年1月より櫻田文部科学副大臣を座長とする「次世代航空科学技術タスクフォース」を設置し,議論を開始した.その結果,平成26年8月に具体的な方針をまとめた「戦略的次世代航空機研究開発ビジョン」をとりまとめ公表したところである.文部科学省としては,本戦略ビジョンについて学会を通じ広く理解を得ることを期待し,以下に報告書をほぼ原文のまま転載する.本稿が学会関係者の今後の参考になれば幸いである.
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