日本航空宇宙学会誌
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66 巻, 8 号
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特集 小型推進系が切り拓く超小型衛星の未来 特集
特集 小型推進系が切り拓く超小型衛星の未来 第1回
  • 各務 聡, 橘 武史
    2018 年 66 巻 8 号 p. 224-231
    発行日: 2018/08/05
    公開日: 2018/08/05
    ジャーナル 認証あり

    本稿では,レーザ加熱により燃焼制御を実現する宇宙機用小型固体推進機の原理と,研究の状況について紹介する.近年,超小型衛星が大学やスタートアップ企業により製作され,宇宙空間で作動するに至っているが,多くの超小型衛星は,推進機を搭載しておらず弾道飛行に甘んじてきた.しかし,現在は,搭載例が増加しつつあり,超小型衛星に適合する小型推進系の研究が進められている.本研究では,小型軽量で無毒な小型推進系の実現のために,レーザ加熱中にのみ燃焼を維持する固体推進剤を開発し,レーザダイオードを熱源とする小型推進機の研究を行ってきた.これまでに,試作機を用いて作動のOn/Offが可能であることを実証し,推力測定により推力0.07 N,比推力126 sを得た.また,レーザ吸収長,燃焼中の固体推進剤の熱流束などレーザ加熱下の燃焼に関わる特性を明らかにしている.本稿ではこれを紹介する.

特集 航空機の到着管理システムに関する研究 第3回
  • 宮沢 与和
    2018 年 66 巻 8 号 p. 232-239
    発行日: 2018/08/05
    公開日: 2018/08/05
    ジャーナル 認証あり

    交通運輸技術開発推進制度により実施した研究の成果を基に将来の到着管理システムが生み出す便益について解説する.研究は,航空路監視レーダーの情報を統合したCARATS Open Dataを用いて現状の混雑空港における到着機の交通状況を解析し,遅延の発生や燃料消費量の増加をどれほど抑えることができるかを定量的に分析したものである.初めに待ち行列の問題として確率モデルを導いて遅延の発生要因を明らかにし,航空機の前後の間隔をより精密に制御することによって遅延時間を抑制し,容量拡大が可能となることを示す.次に飛行時間の調整に重要な航空機の飛行時間と燃料消費量の関係を軌道最適化から導いて航空機の一般的な特徴を説明する.最後に着陸のために到着時刻を相互に調整する必要のあるすべての航空機を対象として最適化を行い,理想的な到着時刻がどのように調整され,燃料消費量が現状に対してどれほど削減できるかを示す.

特集 輸送機C-2の開発 第3回
  • 今村 亮一, 牧原 由典, 谷口 崇
    2018 年 66 巻 8 号 p. 240-245
    発行日: 2018/08/05
    公開日: 2018/08/05
    ジャーナル 認証あり

    C-2輸送機は,C-1等の後継機として,各種事態における部隊等の機動展開や国際平和協力活動等を含む航空輸送任務に使用するために開発された.その目的達成のために,運用する全飛行領域で良好な安全性と操縦性を有しパイロット・ワークロードを低減する,FBW(Fly By Wire)システムの飛行制御機能を設計した.飛行制御機能は,マニュアル操縦時に使用する基本操縦機能,飛行制限領域への逸脱を防止するエンベロープ・プロテクション機能,乱気流中の乗り心地を滑らかにする突風応答低減機能,及びオート・パイロット機能とオート・スロットル機能から成る自動操縦機能で構成する.開発の各設計段階においてフライト・シミュレータ試験を実施し,基本的な操縦性の評価,運用を想定したシナリオに沿った模擬飛行による評価等を行い,C-2輸送機に適合した飛行制御機能を設定した.

特集 輸送機C-2の開発 第4回
  • 和田 昌夫, 山本 浩一, 木村 清志, 佐藤 和也
    2018 年 66 巻 8 号 p. 246-252
    発行日: 2018/08/05
    公開日: 2018/08/05
    ジャーナル 認証あり

    C-2輸送機の搭載電子・電気系統においては,コックピットで効率的な機体システムの操作,監視及び管理が行えるアビオニクス・システムや電源系統システムなどの開発を行った.各システムの設計にあたっては,コックピット・クルーの省力化のため機能の統合化や自動化に配慮しつつ,システムの重要度に応じた冗長設計などを積極的に取込むことにより,システムの安全性や信頼性を確保することを設計方針とした.本論文では,開発したアビオニクス・システムや電源系統等の設計方針及び特徴について,設計と並行して実施した試験の成果を交えて紹介する.

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