研究者が手作りに近い状態で作り上げたガンマ線バースト偏光検出器(GAP:GAmma-ray burst Polarimeter)は,惑星間空間で正常に働き,謎の天体「ガンマ線バースト」からガンマ線偏光を検出することに成功した.ガンマ線偏光検出に特化した検出器としては世界初の成果である.本稿では,GAP装置のハードウエアを中心に解説し,我々が低予算でいかに宇宙動作機器を作り上げたか,その方法,工夫した点,苦労した点を述べる,まずガンマ線偏光の検出原理から始め,GAP検出器の仕組み,回路の動作,機上ソフトウエアの動作,地上でのデータ解析結果,1年強の観測で得られた科学的成果についてまとめる.装置の設計における振動・衝撃試験対策,電子部品の耐放射線対策の考え方は,今後,小型衛星を製作される方々にも参考になるであろう.
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