知能と自律性を備えた賢い機械の力を借りながら人がシステムを制御する人間機械系は,現代の社会のいたるところに見ることができる.これらの賢い機械は,人の負担を軽減するだけでなく,人の能力の限界を補うとともに,人の能力を伸展させることもできる.そのような機械の手助けによって,システムの安全性は大きく向上した.しかし,人の能力に限界があるように,機械の能力にも限界がある.そのような両者が協調しながら,たがいの能力の不足分を補うとともに,それぞれの能力の強みをさらに伸ばしていくことができれば,人と機械が人間機械系を構成している意義が十二分に発揮されるはずである.本稿では,そのような協調を実現するうえでの課題を考察する.
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