日本航空宇宙学会誌
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65 巻, 6 号
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特集 最近話題のヘリコプター 第4回
特集 宇宙からの高性能光学観測を支える技術 第4回
  • 篠崎 慶亮
    2017 年 65 巻 6 号 p. 164-170
    発行日: 2017/06/05
    公開日: 2017/06/05
    ジャーナル 認証あり

    宇宙科学衛星や地球観測衛星では,冷却された光学系や検出素子を用いて高感度・高分解能な観測を行うミッションが数多く提案・開発・運用されており,地球観測では100 K前後に冷却された赤外線センサを冷却するための機械式冷凍機が強く求められている.加えて,50 K以下が求められるミッション機器では,無寒剤の機械式冷凍機による強制冷却に加え深宇宙への放射冷却による受動冷却を組み合わせた冷却システムも提案・開発されている.これらの冷却システム,特に機械式冷凍機には,高い熱効率だけでなくより高い信頼性・冗長性・長寿命,さらには低擾乱・低コスト化といった多くの要求に答える必要がある.本稿では,観測衛星に求められる冷却技術,とりわけ典型的な冷却システムや機械式冷凍機,放射冷却,宇宙用冷却技術特有の課題や要素技術などについて述べる.

特集 極超音速・超音速空力減速装置 第2回
  • 森 浩一, 木全 裕之
    2017 年 65 巻 6 号 p. 171-177
    発行日: 2017/06/05
    公開日: 2017/06/05
    ジャーナル 認証あり

    近年,流体構造連成現象に対する数値解析手法の発達に伴い,主に惑星着陸機の減速に用いられる超音速パラシュートの研究は,新たな局面を迎えている.従来の超音速パラシュートの設計は,バイキング火星探査計画を端緒とする過去の研究の遺産に依存していたため,パラシュートのサイズや形状を変更した場合の設計指針は明らかでなかった.ところが近年,数値解析手法の発達と並行して,風洞実験においてもモーション・キャプチャ技術などの計測技術が発達し,計算・実験を定量的に比較することが可能となり,精度の高い数値シミュレーションが実現しつつある.本稿では,超音速パラシュートに関する名古屋大学の取り組みを紹介するとともに,今後の展望を解説する.

特集 安心・安全な宇宙利用のために 第6回
  • 小山 孝一郎, 児玉 哲哉
    2017 年 65 巻 6 号 p. 178-184
    発行日: 2017/06/05
    公開日: 2017/06/05
    ジャーナル 認証あり

    日本の“ひのとり”,およびフランスの“DEMETER”衛星により得られた電子密度,米国の“DE-2”および“DMSP”衛星により得られた酸素原子イオン密度のデータ解析から見出された大きな地震(M>7)の前駆現象を紹介する.大きな地震発生数日前に見られることのある電離圏擾乱は,経度方向に約80度,緯度方向に約40度の広がりを持つ.電離圏の振る舞いは観測時の地方時,観測高度,震源の緯度,および震源からの距離により異なった様子を見せる.衛星高度が高い(高度300 km以上)と,震源上空で擾乱が見られるとは限らず,日本北部で発生した大きな地震では震源の北上空および磁気赤道上空の電離圏にも擾乱が観測された.震源の緯度,経度を同定するには,衛星高度は約300 km以下である必要がある.電離圏擾乱を引き起こす機構についてはいくつか提案されているが,ここでは大気力学との関連について簡単に議論する.地震により引き起こされた電離圏擾乱の機構を探るには,電子密度・温度測定器を搭載した複数個の超小型衛星とプラズマドリフト測定器などを搭載した小型衛星による観測計画が望まれる.

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