地球環境問題,エネルギー問題,高齢化社会などの深刻化につれて,工学全般,医療などにおいて流体現象について深く知り,それをいかに効率よく利用して,人間が求める効果(たとえば航空機の燃費向上,医学治療技術の向上)を得るかがますます重要になってきている.その際に,流体を調べるための実験的な手法(EFD)と数値シミュレーション(CFD)を相互補完的に利用するEFD/CFD融合技術を活用することにより,単独技術ではなしえないシナジー効果を上げることが近道となる.本稿では,EFDとCFDのそれぞれの課題を整理した上で,両技術の融合の有効性と融合技術の現状について概観するとともに,現状の技術をEFD/CFD共通のプラットフォームとして総合的にシステム化した「デジタル/アナログ・ハイブリッド風洞(DAHWIN)」について紹介する.さらにEFD/CFD融合技術の将来の発展を期待し,その様々な可能性について展望する.
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