国産新型ロケットであるイプシロンロケットは,固体ロケットシステム技術の維持・発展と小型科学衛星への対応として,多様なミッションに対する確実・短期間での打上げシステムの実現を目指している.その一方で,小型科学衛星のニーズに応えるべく,開発期間を最小化して早期の打上げを実現するために,H-IIA及びM-Vロケットで培った技術を最大限活用することを開発方針の一つの柱としている.本稿では,開発方針に基づくアビオニクスシステム構成とアビオニクス主要コンポーネントの動作について解説するとともに,アビオニクス機器の開発フローシステムインテグレーション結果,射場点検結果について述べる.イプシロンロケット試験機は2013年9月14日に打ち上げられ,惑星分光観測衛星SPRINT-A(ひさき)の軌道投入に成功した.本フライトにおいて,機体に搭載されたアビオニクス機器が正常に動作したことを確認している.
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