宇宙技術および科学の国際シンポジウム(International Symposium on Space Technology and Science;ISTS)併設行事として開催されている宇宙機制御系設計コンテスト(Spacecraft Control System Design Contest)は,与えられた宇宙機制御の課題に対して自分の制御系を設計し,その優劣を競うものである.2015年の第30回ISTSで8回目を迎え,今回もレベルの高い競技が行われた.本解説記事では,コンテストの狙いや様子を説明した後,出題の背景や意図にも触れながら課題の変遷を示す.過去のコンテストの出場者からのメッセージを紹介する.また,宇宙機制御工学の研究者,技術者の啓発,育成に対する本コンテストの意義を考察する.さらに,次回以降のコンテストへの出場者の増加とさらなる発展を期待する.