JAXA研究開発本部・宇宙実証研究共同センターでは,100kg級の小型実証衛星1型を2009年1月に打ち上げた.衛星は所期の目標以上の成果を得て2010年9月8日に運用を終了した.SDS-1の開発は研究開発本部の若手技術者が主体となって,設計,組立試験から打上げ,運用までの衛星のライフサイクルの実務をインハウスで行った.また,次号機となるSDS-4を2012年5月に打ち上げ,現在,運用を行って種々の実証データを取得している.このように,SDS-1はSDSプログラムの初号機として,新規技術の軌道上実証の目的を達成するとともに,小型衛星の活用,軌道上実証シリーズ化の先鞭を付けた.本稿では近年活発化している国内の小型衛星開発の参考になることを期待して,SDS-1の開発プロセスを振り返り,ミッションサクセスに至る上でキーとなった要因について考察する.
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