設備配管系で発生する異種金属接触腐食の防止対策として異種金属間の絶縁処理(ガスケットや絶縁管の挿入)が行われる。しかし,異種金属同士が外部回路で接触した場合の絶縁距離に関しては,これまでまだ十分明らかにされていない。ここでは,ステンレス鋼管と炭素鋼管を組み合わせ,水道水環境で,配管によるガルバニック対の電位分布やガルバニック電流の分布を測定する基礎的な実験を行った。その結果,1)炭素鋼管と絶縁管との境界部付近での炭素鋼管の腐食が大きく,境界部におけるステンレス鋼管のカソードとしての影響が大きい,2)管径が小さい場合は炭素鋼管の管端部に腐食が集中するが,配管口径が大きくなると,その傾向は緩和される,3)絶縁距離を長くすることによりガルバニック電流は指数関数的に低下する,ことなどが明らかになった。
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