これまでの空調設備改修プロジェクトでは,施工段階で工事の引き渡し試験として総合試運転調整試験が行われていた。しかし,従来の手法では工事契約や工期上の制約から必ずしも年間を通して変動する負荷に対して十分な調整ができず,非効率な運転を招いていることもあった。そこで,工事引き渡しの新しい概念として導入が検討されているのが,各季節の機能性能試験と運転適性化である。枠組みの詳細は検討段階にあるが,完工後も引き続き性能検証を行いプロジェクトの引き渡しを行うので空調設備の仕上がり品質の向上が期待できる。既報では復性能検証過程の枠組みと実行概要,機能性能試験の枠組みと試行結果について述べた。本報では機能性能試験の実行結果および実用化に向けての課題と考察について報告する。
抄録全体を表示