減圧された缶体内の水を蓄熱媒体として,熱交換器を介して給湯する電気温水器では,低温・低圧状態での加熱操作時に高レベルの騒音が発生するため,その低減化が切望されている。そこで,沸騰現象に伴う騒音の発生機構を明確にし,その知見から低騒音化を図るのに有効な方策を前報において提案した。本報では,電気ヒータの伝熱面の外周面部に開口したずい道を設けて,沸騰時に発泡する蒸気泡の微細化を図り,蒸気泡の凝縮崩壊圧を減じる低騒音化法を採用する。そして,伝熱面の設計指針ならびに低騒音化策の有効性について検討した。その結果,試作した伝熱面形状をもつヒータでは,発泡核となる蒸気泡粒が常にずい道部に残留し,空間的,時間的な発泡密度が増す。そして,発泡後の蒸気泡は微細な状態で伝熱面上から離脱して凝縮するため,崩壊時の衝撃圧力は著しく減じて,缶体騒音は20dB程度低減でき,本提案が有効であることを確認した。
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