給水・給湯設備では,管継手・バルブなどの止水箇所に合成ゴムを装着した製品がシステムに採用されている。止水箇所に合成ゴムが採用された背景には,施工技能者の減少に伴う製品の軽量化,施工の簡易化,コストダウンなどが挙げられる。しかし,合成ゴムについては,飲料水を供給する給水や給湯のシステムにおいて,使用を開始してから10年未満の短期間に劣化し,黒色異物などが水栓より流出や水漏れ等のトラブルがみられる。従来より,合成ゴムは熱や光,油などに長期間曝されると劣化することは知られているが,給水・給湯システムでの水劣化に関しては,劣化メカニズムなどは明らかにされていない。本研究では,給水・給湯システムに使用された合成ゴムの劣化の事例を分析するとともに劣化の促進実験を行い,劣化メカニズムを検討し,2種類の劣化機構を明らかにした。
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