空気調和・衛生工学会 論文集
Online ISSN : 2424-0486
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43 巻, 256 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
学術論文
  • 富樫 英介
    2018 年 43 巻 256 号 p. 1-7
    発行日: 2018/07/05
    公開日: 2019/07/05
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は、空気調和・衛生工学分野の過去100 年間の歴史を客観的に俯瞰することである。このため、空気調和・衛生工学会の100 年間の学会誌の画像データをOCR にかけてテキスト認識を行い、形態素解析によって名詞を抽出した。時代ごとに出現率の高い名詞を抽出することで、本分野において各時代に注目を集めた事象の推移を把握した。また、Jaccard 指数を用いることで関連性の高い名詞を抽出し、関連する名詞を同一の項目に分類することで、項目別の出現率の推移も計算した。空調衛生の各分野に関連する項目、環境問題関連の項目、建物用途に関する項目、人文・社会科学分野に関する項目、を設定した。

  • 第1報−小型全熱交換エレメントを対象とした基礎実験と熱水分移動解析
    外川 一, 亀石 圭司, 伊藤 一秀
    2018 年 43 巻 256 号 p. 9-18
    発行日: 2018/07/05
    公開日: 2019/07/05
    ジャーナル フリー

    外気を室内導入する際に発生する換気負荷は主要な空調負荷の一つであり,省エネルギーの観点では導入量の最適化と適切な処理の必要性が指摘されている.本研究では,全熱交換形換気システムに採用される全熱交換エレメントに着目し,そのエレメント内での顕熱・潜熱移動を詳細にモデル化し,簡易型ならびに詳細型の数値解析法を開発する.その上で,全熱交換エレメントの性能改善に寄与する要素をパラメトリ ック解析によって明らかにすることを目的とする.本報(第 1 報)では,小型の全熱交換エレメントを作製し,その温度交換効率・エンタルピ交換効率・フィン効率を実験的に定量評価した上で,熱水分移動を個別に質点系でモデル化した簡易型計算モデルの予測精度を検証した結果を報告する.

技術論文
  • 李 螢, 山中 俊夫, 甲谷 寿史, 相良 和伸, 桃井 良尚, 蔵永 真理
    2018 年 43 巻 256 号 p. 19-28
    発行日: 2018/07/05
    公開日: 2019/07/05
    ジャーナル フリー

    本研究では,天井吹出し型誘引ユニットを病室に導入することを提案し,その有用性を検証することを目的としている。本報では,暖房時に天井吹出し型誘引ユニット空調を有する 4 床病室を模擬した実大実験を行い、排気口の位置、ベッド廻りのカーテンの有無が室内温度、濃度分布及び局所平均空気齢分布に与える影響について検討を行った。暖房時実測より,排気口の位置が規準化濃度分布および空気齢分布に大きい影響を及ぼすこと、更に、汚染物質に対するベッド廻りのカーテンのバリア機能が確認された。一方、ベッド廻りのカーテンの有無が空気齢に与える影響は比較的小さいと言えることがわかった。

  • 割石 浩幸, 田中 毅弘
    2018 年 43 巻 256 号 p. 29-36
    発行日: 2018/07/05
    公開日: 2019/07/05
    ジャーナル フリー

    建築設備に着目した安全教育・訓練、工事手順、危険・リスク回避や分析・評価手法などは、未だに体系的に調査研究されていないのが現状である。そして、建築設備分野において、労働災害の原因を見つけ出し、その要因を特定して低減対策を実施するというリスクアセスメントの考え方は安全作業手順書を作る上でも重視されてきてはいるが、品質事故については、安全とは別の手法で管理されている場合が多い。しかし、安全と品質は現場作業を進める上でも切り離せないものである。そこで、本論文では、建築設備の施工におけるトラブル・リスク回避シートの検討を行う。そのため、リスクアセスメントの見地から、ステップを踏みながら、建築設備の施工現場に導入できるトラブル・回避シートを提案するに至った経緯と過程をまとめるとともに、トラブル・回避シートの建築設備の施工現場へ導入と適用を行ったので、それらの結果についてまとめる。

  • 第2報−冬季の熱源出口温度制御と凍結防止運転の改善と効果
    一瀬 茂弘, 河路 友也
    2018 年 43 巻 256 号 p. 37-43
    発行日: 2018/07/05
    公開日: 2019/07/05
    ジャーナル フリー

    BEMS の普及により空調設備で消費されるエネルギーの見える化が進んだ。これらデータを用いて継続して性能検証を行い,得られた課題を運転に反映させることは,対象となる施設の省エネ化を進める上で有効である。そこで本研究では工場に導入された水蓄熱式空調システムを対象とし,前報では夏季の熱源出口温度制御の安定化に向けた取り組みと得られた省エネ効果について報告した。本報では熱源出口温度制御の改善に加えて,冬季の夜間に起動する凍結防止運転の流量を調整した結果,得られた効果について報告する。BEMS データから得られた凍結防止運転の流量と往還温度から,冷温水配管が凍結しないことを前提に流量調整を行ったところ,夜間の蓄熱量が改善され,熱源機の部分負荷運転を回避できる可能性が高まった。

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