本論文は,実ESCO事業における長期省エネ性能の安定性を検証し,ESCO事業普及拡大の障害とされる省エネ性能の長期保証を,短期の省エネ性能の確認により代替できる可能性を探るものである。第1報では,既に契約が満了した大阪府の事務庁舎における実ESCO事業の長期省エネ性能を検証した。その際,ESCO事業による効果のみを峻別し気候変動等の影響を除外するベースライン補正式の精度は十分にあるものと仮定して検証を進めたので,本報においては,ベースライン補正式の策定状況を明らかにすると共にその精度を検証する。併せて,空調設備のエネルギー推定ツールであるLCEMをベースライン補正に適用し,補正精度を比較検証する。
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