夜間の安価な電力を利用し,蓄熱槽に蓄えた熱エネルギーを昼間の空調に利用する水蓄熱式空調システムは,設置数が着実に増加しており,その性能評価に関心が持たれている.しかし,小規模なシステムでは流量計が設置されておらず,運転状況さえも把握できないので,適切な運転管理が行われていないという現状がある.本研究は,比較的測定が容易な槽内温度等のデータを用いて,分割槽内の熱収支を用いる流量推定手法の提案を行う.そして,システムシミュレーションにより測定誤差のないデータを生成し,提案した手法の精度確認を行い,その後,実在ビルの実測データに対して,提案した手法を適用した結果を報告する.
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