本論文は,高効率の貯湯式給湯システムとして普及が進んでいるCO_2ヒートポンプ(Heat Pump:HP)式給湯機の2008年機を対象に追焚運転,給湯負荷特性などがシステム性能に及ぼす影響について評価を行ったものである.まず,修正M1モードに追焚負荷を加えた実験を実施し,HP出湯温度,残湯量などの制御に大きな差異が生じることを確認した.追焚負荷を考慮した場合のSCOPは,修正M1モードにおける値と比較して,冬期に約30%の低下が見られた.次いで,追焚負荷に相当する熱量を差湯運転で賄った場合には,制御への影響は生じないものの,給湯温度が60℃を下回る場合も見られることを確認した.標準湯使用量に対して,約4割減〜4割増の範囲においては,制御への影響はほとんど見られないが,少人数家族を想定した場合にはSCOPが低下することから,湯消費に応じた給湯負荷モードを用いて評価する必要がある.
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