カーボンニュートラル社会の実現に向け,再生可能エネルギーの導入により時刻変動する建物内のエネルギーバランスに対し,蓄電池の制御高度化が求められている。本報では仮想的な電力の変動料金制の下,建物の電気料金を最小化する蓄電池のモデル予測制御を実現するために,高速で非線形課題への求解が可能な遂次二次計画法に適した目的関数・制約条件を開発・定式化した。次に,実システムを対象としたエネルギーシミュレーションを実施し,定式化手法の効果を解析した。各月におけるシミュレーションの結果,従来の制御方法における電力コストに対し 12 か月の平均で29 %の削減効果が示された。