空気調和・衛生工学会 論文集
Online ISSN : 2424-0486
Print ISSN : 0385-275X
ISSN-L : 0385-275X
45 巻, 282 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
学術論文
  • 第2報−熱環境改善を目的とした窓対策設備近傍の温度・気流分布測定および噴流・プルームモデルによる再現性の検討
    加藤 正宏, 山中 俊夫, 小林 知広, 渡部 朱生
    2020 年 45 巻 282 号 p. 1-10
    発行日: 2020/09/05
    公開日: 2021/09/05
    ジャーナル フリー

    大面積の窓を有する空間においては,暖房時に冷放射やコールドドラフト,上下温度差により温熱環境が悪化しやすい。エントランス・吹抜空間や,窓性能が弱く窓近傍の温熱環境悪化が懸念される場合には,ペリメータファンや自然対流型ペリメータヒータなどの窓対策設備の使用が検討されることが多い。本報では,窓対策設備近傍の温度分布を測定するとともに,上昇流の性状をPIV により把握する。上下温度分布予測モデルでの再現性を確認するために,空調気流を取り扱う非等温噴流モデルおよびプルームモデルを用いて実験結果の再現を行った結果を報告する。

  • 第2報−パッケージ空調機消費電力推定モデルによる設定温度変更時の評価
    笹倉 康佑, 小松 正佳, 青木 健, 渡邊 剛
    2020 年 45 巻 282 号 p. 11-18
    発行日: 2020/09/05
    公開日: 2021/09/05
    ジャーナル フリー

    近年,データセンターは社会生活の重要なインフラの一つとなっており,その重要性や需要の高まりとともに継続的な運用(信頼性)やさらなる省エネへのニーズも高まっている。本研究は,サーバルームにおいて収集した空調機・各ラックに関するデータを用い,高効率な運用・管理を支援することを目的とする。本報では,サーバルームの空冷パッケージ型空調機(インバータ駆動)を対象とし,機械学習を用いたモデルにより空調機の消費電力に関するベースライン推定を試みた。複数手法を用いたベースラインモデルの比較・説明変数や学習期間が精度へ及ぼす影響の検討を行い,空調機の消費電力に関するベースラインを高精度に予測可能なモデルを構築した。また,ベースラインモデルの汎用性検討を目的に,異なるサーバルームにおける計測データを用い再学習したベースラインモデルにより,異なるサーバルームで精度検証した結果,高精度に予測可能なことを確認した。このベースラインモデルを用い,省エネ施策の効果を検証する実験を行い,本提案ベースラインモデルの有用性を確認した。

  • 松井 絵美, 亀谷 茂樹
    2020 年 45 巻 282 号 p. 19-26
    発行日: 2020/09/05
    公開日: 2021/09/05
    ジャーナル フリー

    近年,高効率化や設計自由性の向上などにより,ビル用マルチ空調機の普及は増加の一途である。同空調機は冷媒が直接環境空気と熱交換を行うために,オンサイトでの性能評価を正確に行うことは一般に困難である。そこで筆者らは,実際の建物に装備されるビル用マルチ空調機について,安価なマイコンボードを用いて室外機制御基板から直接取得した運転データを,ネットワークを介してサーバ上に送出し,リアルタイムかつ高精度に空調機の性能を算定するシステムを構築した。本報では,これを用いて収集した運転データを解析し,実運用下におけるビル用マルチ空調機のエネルギー消費特性など,その基本性能の解析を行った。

技術論文
  • 第2報−中間期における自然通風を利用した室内環境の実態と省エネ効果
    川上 梨沙, 太田 昭彦, 浅野 勝弘, 長谷部 弥
    2020 年 45 巻 282 号 p. 27-35
    発行日: 2020/09/05
    公開日: 2021/09/05
    ジャーナル フリー

    四国・高松のあるオフィスビルでは,ZEB 化を目指し,東西南北面の計23 つの窓の手動開閉を喚起する自然換気有効表示灯と,表示灯と連動する空調発停システムを導入した。その結果,実際に開閉された窓は約半数であったが,運用2 年目の中間期に空調・換気用の消費電力量は計画値の約30~50%となった。また,室内CO2 濃度は機械空調時よりも約150~200ppm 低く,半数以上の在室者が気流を感じると回答したことから,外気が室内に流入したことを確認した。さらに,在室者の温冷感や熱的快適感および満足度において,自然通風を行った中間期と機械空調で冷房をしていた夏期の間に有意な差は認められず,省エネと快適性の維持を両立した一事例となった。

feedback
Top