空気調和・衛生工学会 論文集
Online ISSN : 2424-0486
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46 巻, 288 号
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学術論文
  • ネコの定常熱収支モデル
    福代 和宏
    2021 年 46 巻 288 号 p. 1-12
    発行日: 2021/03/05
    公開日: 2022/03/05
    ジャーナル フリー

    コンパニオンアニマルを有する世帯においては,省エネルギーと,コンパニオンアニマル・ヒト双方の熱的快適性とを両立させる熱環境の整備が必要である。本稿ではコンパニオンアニマルの代表であるネコの熱的快適性を検討するため,人体熱収支モデルの中でも基礎的な two-node モデルを参考にシンプルな定常熱収支モデルを構成した。同モデルは室温 20~38℃の範囲で Adams らの実験結果に適合する結果を示す。同モデルによる計算値と Adams らの実験結果に基づく考察からネコの熱的な快適域を基準代謝量から±17%の幅と推定した。また,同モデルの応用として本稿では市販のペットヒーターの効果を検討し,その利点と課題を指摘した。

  • 新井 渓, 今川 光, 繪本 詩織, 橋本 哲, リジャル H.B., 宿谷 昌則
    2021 年 46 巻 288 号 p. 13-20
    発行日: 2021/03/05
    公開日: 2022/03/05
    ジャーナル フリー

    私たちは日頃,不快な熱環境をできるだけ避けられるよう環境を調整する行動を選択しながら生活をしている。本研究では室内の相対湿度の違いで人の快・不快に与える影響を調べるために人工気候室内で被験者実験を行い,被験者の想像温度・寒暑感・適温感・快適感についての観点から分析を行った。本実験の条件は室内空気温度を22°Cで一定として,相対湿度を30,40,50,60,70%の5条件のいずれかに制御し,温熱感覚に関する申告調査を行った。収集されたサンプル数は1216 個である。 本研究で行われたデータを分析した結果,想像温度は平均値21.4°Cを中心として±3.2°Cの幅があり,22℃一定制御環境下であっても様々な温度を想像していた。

技術論文
  • 小坂 信二
    2021 年 46 巻 288 号 p. 21-29
    発行日: 2021/03/05
    公開日: 2022/03/05
    ジャーナル フリー

    空調設備と給排水衛生設備設計では、機器容量等を決めるための負荷を把握する必要がある。空調は、手計算による積み上げ方式の計算が確立しており、それを基にシミュレーション計算までの手法が実際の設計業務で使用されている。それに対して給排水衛生設備の給水量は、手計算による計算方法が確立されていない。建築物の給水量は、多くの場合人の水使用行為により決まるため、水使用行為を基にして手計算、積み上げ計算による手法により給水量を算定する手法を、水負荷計算法として提案してきた。今回提案する水負荷計算表を使用することにより、給湯量計算、排水再処理水量計算も行うことができる。

  • 数値シミュレーションによる北九州市と秋田市の比較
    本山 優作, 塘田 研仁, 白石 靖幸, 長谷川 兼一
    2021 年 46 巻 288 号 p. 31-37
    発行日: 2021/03/05
    公開日: 2022/03/05
    ジャーナル フリー

    本研究では、既往研究に基づき非定常CFD 解析モデルを作成し、九州及び東北地域の2 都市を対象として年間解析を実施し、気象条件の違いが土壌熱交換システムの予冷・予熱性能等に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。以下に得られた知見を示す。1)北九州市において、6~8 月にかけて流出口の相対湿度が頻繁に100%近くを推移していたことから、システム内での結露発生が懸念されるが、当期間にて降水量が顕著となる北九州市の気候特性が影響したものと推察される。2)北九州市では夏季の温熱、秋田市では冬季の冷熱が導入外気へ影響し、外調機処理熱量の削減量は北九州市の冬季で9.3GJ、秋田市の夏季で10.4GJ とそれぞれ最大となった。

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