大規模事務所建物2件(延床面積Aビル:74,827m^2, Bビル:142,759m^2)の保全記録データ(観測期間Aビル:1,795日,Bビル:3,910日)から、空調設備と給排水衛生設備に発生した故障・不具合のデータ(件数Aビル:空調537件,衛生562件,Bビル:空調1913件,衛生2736件)だけを抜き出した。これに基づき、故障・不具合の発生の特徴として、発生件数の原単位をまとめ、ビル管理担当への居住者からの通報、原因と現象、発生の場所と時間について基礎的分析を行った。次に、信頼性解析手法により故障・不具合の発生間隔と修復時間について分布を求めた。また、Bビルのデータは竣工以来のものであり、初期故障期の状況が定量的に捉えられた。これらの知見は、保全計画のための基礎資料として有用であると考えられる。
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