空気調和・衛生工学会 論文集
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47 巻, 305 号
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学術論文
  • 清輔 隼仁, 田中 康信, 古川 悠, 北村 俊貴, 山中 俊夫, 永田 久子, 岡本 茂, 安井 さおり
    2022 年 47 巻 305 号 p. 1-11
    発行日: 2022/08/05
    公開日: 2023/08/05
    ジャーナル フリー

    感染症対策への注目が高まり,飛沫や飛沫核, 粉塵等の微粒子の濃度やその分布性状を換気によって制御することの重要性が再認識されている。しかし,一般室内環境では様々な要因が微粒子の挙動に影響するため,微粒子の飛散を定量的に評価するのは容易ではない。そこで,本研究では,オフィス空間を対象として空調方式に焦点を当て,空調方式による微粒子挙動の差異ついて CFD および実験による検証を行った。その結果, 空調方式による微粒子挙動の傾向の違いがシミュレーション検討および実験の双方で確認された。また,歩行動作による一度床に付着した微粒子の再飛散は模擬飛沫では認められなかった。

  • 第1報−業務用クリーニング工場における実態調査
    小笠原 岳, 荻田 俊輔
    2022 年 47 巻 305 号 p. 13-21
    発行日: 2022/08/05
    公開日: 2023/08/05
    ジャーナル フリー

    本研究は暑熱環境下の工場における作業環境に着目し,実態把握や効率的な改善手法検討を報告するものである。本報(第 1 報)では空調・換気設備の異なる同規模の業務用クリーニング工場を対象に実施したWBGT や作業者皮膚温度について報告した。 8 月の操業時間中に WBGT が30℃を超過する割合は工場A(非空調)で57.9%,工場B(スポット空調)で9.3%であった。また工場Aでは外気温度が28℃を超過するとWBGTが 30℃を超過する可能性があり,外気温度 32℃以上では操業開始直後などを除いてWBGT が 32℃を超過した。両工場の作業者皮膚温度では異なる傾向が確認された。

  • 化学系実験室の現地調査とBEMS電力データ分析
    田中 覚, 坂井 友香, 豊村 幸毅, 堤 遼, 河野 匡志, 赤司 泰義
    2022 年 47 巻 305 号 p. 23-32
    発行日: 2022/08/05
    公開日: 2023/08/05
    ジャーナル フリー

    大学の理系・医系施設において,24時間起動かつ夜間稼働の機器が設置され,これが要因で理系・医系の建物ベース電力が高くなり,キャンパスの消費電力量を押し上げる実態がある。本研究では,床面積また消費電力量が多く,建物ベース電力も高い工学系建物に着目し,建物における電力多消費室の現地調査から実験機器一覧表を作成した。また,この一覧表の情報と BEMS 電力データの突き合わせ分析から,建物ベ ース電力の内,実験室における実験機器分の約5割の内訳を明らかにし,電力多消費の実験機器を特定した。そして,省エネ対策検討として,電力多消費と特定した大型実験機器の集約化と省エネ意識にもとづく研究者の省エネ行動の検討を行った。

  • 第2報−直接埋設2管式既断熱温水配管における熱供給配管網の経済的最適化
    橘 雅哉, 佐土原 聡, 吉田 聡
    2022 年 47 巻 305 号 p. 33-43
    発行日: 2022/08/05
    公開日: 2023/08/05
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は, これまで加味されてこなかった配管網経済設計に重要な要因とその影響を定量的に明らかにし,さらにそれらの要因を組み込んだ経済的最適化計算プログラム構築を行うことにある。前報1)では温水 2 管式配管システムにおいて直線部の単位工事線長あたりの管径の経済的最適化について算定理論,実際の建設費を用いた解析結果を示した。本報においては, 熱供給配管網での配管径算定手法の理論について述べると共に, 直接埋設2管式既断熱温水配管網において解析結果を表す。今回の検討により, 本計算プログラムの有効性が明らかとなった。

技術論文
  • 第2報−脱臭装置性能と室内空気環境の評価
    佐伯 寅彦, 中川 貴文, 増田 大祐, 小林 徳和, 坂本 裕, 穴井 俊博, 湯 懐鵬
    2022 年 47 巻 305 号 p. 45-53
    発行日: 2022/08/05
    公開日: 2023/08/05
    ジャーナル フリー

    喫煙室内のたばこ臭を低減するために換気量を大きくすると,空調負荷が増大し多くのエネルギーを消費する。喫煙室内の空気環境の質的向上と省エネルギーの両立のため,筆者らは(1) 脱臭装置の導入による換気量削減,(2) たばこ煙を速やかに室上方から排出する置換換気方式,(3) 喫煙者数や外気条件等による換気風量と脱臭装置処理風量の最適制御を組み合わせた喫煙室システムを開発した。本システムを導入した喫煙室で脱臭装置の単体性能を測定した結果,脱臭効率は 95 %となった。また,空気環境について粉じんおよび化学物質濃度測定と実運用時のアンケート調査を実施し,たばこ臭およびたばこ煙に含まれる成分を軽減できることを確認した。

  • 第1報−暖房時の蓄放熱効果について
    崔 軍
    2022 年 47 巻 305 号 p. 55-62
    発行日: 2022/08/05
    公開日: 2023/08/05
    ジャーナル フリー

    本研究では,24 時間全館空調システムのランニングコストの削減を目的に,建築用空洞コンクリートブロックを蓄熱体として使用する場合の有効性を確認するため,ベタ基礎の下に約 360 個のブロックを設置された戸建住宅について長期実測を行った。本報では暖房時の蓄放熱性能を考察し以下の知見を得た。1)室外機が自動停止してもブロックの放熱のみで一日のうち約7 時間~17 時間の暖房ができることがわかり,ブロックを蓄熱体として利用した場合の有効性が確認された。2)一日の蓄熱量が約141MJ で,蓄熱率が約 60%である。3)一日の放熱量が約 18MJ で,放熱率が約 13.6%である。4)暖房消費電力が平均で約0.47kW である。

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