大面積の窓を有する空間においては,暖房時に冷放射やコールドドラフト,上下温度差により温熱環境が悪化しやすい。エントランス・吹抜空間や,窓性能が弱く窓面近傍の温熱環境悪化が懸念される場合には,ペリメータファンや自然対流型ペリメータヒータなどの窓対策設備の使用が検討されることが多い。本報ではペリメータファンを窓面下部に設置し,等温吹出による上昇流が生じる場合を対象として,設計の初期段階より使用可能な上下温度分布予測モデルへの適用を目的とした窓面近傍気流のモデルを構築した。また窓面の冷却が上昇流に与える影響を把握するために実施した実験結果との比較により,計算モデルの有効性の確認を行った結果を報告する。
コンテナスは調達しやすさと迅速な組み立て可能という利点があるため、緊急時に医療関係者専用の陽圧スペースとして利用する場合、屋外で広く応用可能と考えられる。建設コストを抑えるため現地調達、施工しやすい簡易換気ファンを使用することで、現在の参考陽圧最小推奨値 2.0~2.5Pa、換気回数 2~3T/h を実現することは可能かを開発実験を目的として 20 フィートコンテナを持ち、単相直流 INV 簡易ファンを実装して室内陽圧値と換気効率について実測実験を行った。コンテナ施設内は接続容易の1φ110V(台湾仕様)直流簡易ファン設備以外、検体採収用のアクリルパーテーション、出入り門扉と排圧用ガラリにも設けた。室内の圧力変化を確認するため、A と B ファンを左右二ヶ所に設置し 、 2 ~ 1 8 T / h 換気回数を設 定され、ガラリ開閉との組み合わせ実測をしながら室圧の変化と換気効率の変動状況を確認できた。実測結果はガラリ OFF にして室内圧力は 2.0Pa を維持するため簡易ファンの換気回数は 6T/h 以上と必要とする、ガラリ ONの場合は圧力逃がされるので室圧 2.0Pa を維持するのにファンの換気回数は少なくとも 12T/h 以上必要とした。また、圧力の変動についてファン給気口との遠近、ガラリの開閉とも関連する。給気口に近く程室圧高く保つすることを確認、一方、ガラリ ON の場合近くの圧力は低下傾向という計測結果が確認できた。以上の開発実験により 20 フィートコンテナに単相簡易ファンを設置して、陽圧 2.0Pa をできるよう最小必要の換気風量及びフ ァンの設置位置と圧力変動に関する結果が分かった。今後類似なコンテナ施設設計の参考になればと考えてます。
BIM ツールの更新により,図形ライブラリ・属性データを拡充すると同時に,解析・計算機能を強化している。本研究では,給排水設備設計におけるIFC データの応用に着目し,BIM ツールで出力されたIFC データを対象として給排水設備の情報を解析する。まずは,IFC4 の仕様書に基づいて給排水設備システムのIFC データ構成を明らかにする。また,給水・排水器具や配管や継手など設備要素のIFC データの定義を確認し,器具給水・排水負荷単位や寸法情報など属性の確認方法を説明する。さらに,配管に接続するディストリビューションポートの定義,流れ方向の判別方法を示す。